Yahoo!ニュース

地球サイズの台風!?「木星の大赤斑」300年以上存在する大赤斑が2050年までに消滅する可能性

大赤斑 出典:NASA/SwRI/MSSS/Gerald/Seán/Flickr

超巨大台風「サンサン」が日本列島を横断中ですが、木星には地球よりも大きな台風が存在することをご存知でしょうか?本記事では、その規格外な大きさの「大赤斑」と、その消滅の可能性をご紹介します。

毎週土曜21:00~宇宙ニュース配信中!!

■最初の観測から360年以上にわたり存在し続ける台風

木星の大赤斑の拡大図 出典:Wikipedia
木星の大赤斑の拡大図 出典:Wikipedia

「大赤斑」とは、木星の南半球に存在する巨大な嵐のことです。大きさは最大で4万kmにも及び、地球が2~3個すっぽり入ってしまうほどのサイズです。風速は秒速350mと、地球の台風と比べて桁違いに凄まじい速度で風が吹き荒れています。そしてこの大赤斑は表面で渦巻いていると思いきや、表面から500kmも奥まで続いていると言われているのです。一度入ってしまうと、一生出てくることは叶わなそうですね。しかし、大赤斑がどのようにできたのか、そしてその内部構造についてはまだ解明されていないことが多々あります。

■大赤斑は2050年ごろに消滅する!?

1711年に初めて絵画に描かれた木星と大赤斑 出典:Wikipedia
1711年に初めて絵画に描かれた木星と大赤斑 出典:Wikipedia

最初に大赤斑が発見されたのは、1665年にフランスの天文学者「ショヴァン二・カッシーニ」が地球の望遠鏡で観測をし、それ以降約360年にわたり長期に存在し続けています。ちなみに、カッシーニさんは土星の4つの衛星を発見するなど、惑星観測で様々な功績を残し、1997年に打ち上げられたNASAの土星探査機が「カッシーニ」と名付けられました。

木星の大赤斑と地球の比較ズ 出典:Wikipedia
木星の大赤斑と地球の比較ズ 出典:Wikipedia

そして実はこの大赤斑、サイズが年々縮小しているのです。19世紀後半には最大となる4万km程でしたが、1980年には約2.3万km、2014年には1.6万kmまで縮小しています。そして、楕円であった形状も、徐々に真円に近づいているとの事です。

NASAの天学者によると、このペースで縮小していったとすると2050年頃には消滅するのではないかと見込まれています。木星のトレードマークである大赤斑がなくなってしまうと、少し寂しいですね。「いつまでもあると思うな 木星の大赤斑」と声を大にして伝えたいですね。

【関連記事】

超巨大台風「サンサン」台風の名前に秘められた驚愕の意味とは、あなたなら台風に何て名付ける?

宇宙から見た台風、ISSから覗く「台風の目」(2018年)過去にはロケット組立棟外壁が破損する被害

宇宙ニュースを毎日お届け!YouTubeでは毎週土曜21:00~宇宙情報をLIVE配信中! ロケット打ち上げ計画や惑星探査機・科学情報を、初心者の方にも分かりやすく解説します!皆さんからの気になる質問や熱いコメントもお待ちしています!

スペースチャンネルの最近の記事