生命存在の可能性がある木星の氷衛星、活火山が400個以上ある衛星「イオ」、90個を超える木星の衛星達
2024年10月11日、NASAの探査機「エウロパ・クリッパー」が木星に向けて打ち上げられました。本記事では、生命の存在する可能性のある衛星や、活火山を400個以上持つ衛星など、多彩な木星の衛星たちをご紹介していきます。
■巨大惑星である木星と90個を超える衛星
木星は地球に比べて、大きさがおよそ11倍、重さがおよそ320倍ある太陽系最大の惑星です。木星は巨大ゆえに隕石を引き寄せやすく、地球を隕石から守ってくれています。地球が生命を育むうえで非常に重要な役割を担っているんです。
そんな木星にはたくさんの衛星があることをご存知でしたか?1610年にガリレオ・ガリレイが木星に4個の衛星を初めて発見しました。そして時は流れ2023年、木星の衛星は全部で95個もの数が発見されています。さらに、木星と太陽の釣り合うラグランジュ点の周りには、1万1000個を超えるトロヤ群小惑星が周回していると言われています。
最初に発見された4つの衛星は、エウロパ・ガニメデ・イオ・カリストと名付けられ、「ガリレオ衛星」と呼ばれています。その中の一つであるエウロパの表面は、氷の地面に覆われていて線のような地面の割れ目が見えます。木星からの潮汐力からの影響で、内部は暖かいと考えられているんですね。エウロパは地下に海水が広がっていると予想され、地球外生命体がいる可能性が高いと言われています。
■400個を超える活火山を抱える衛星「イオ」
木星で発生するオーロラは、地球の1000倍を超えるほど明るいと言われています。長らくオーロラの発生原理は不明でしたが、2022年にガリレオ衛星の一つである「イオ」の火山から噴火した溶岩が関係していることが判明しました。
イオは4個のガリレオ衛星のうち、一番内側を回る衛星です。イオの内部では、木星の強すぎる重力により、激しい火山活動が生じています。表面が黄色く見えるのは火山から噴出した硫黄が表面を覆っているためです。イオは地球に比べて1/3程の大きさの天体ですが、その表面には400個以上の活火山が存在すると推定されているのです。
そして、イオから噴出した溶岩は宇宙空間でプラズマ化し、木星の強力な磁場に取り込まれてガスと反応することで、オーロラとして発光していたことが判明しました。地球とはスケールが桁違いな木星圏のオーロラ、いつか自分の目でも見てみたいですね。
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