偉人の側には猫あり!?偉人を支えたスゴイ猫たち6選!
猫は古来より人々に愛されてきた動物ですが、歴史上の偉人たちも例外ではありませんでした。夏目漱石や南方熊楠、マリーアントワネットなど、世界的に有名な王族、科学者や文豪に至るまで多くの偉人が猫を飼っていたことが知られています。
偉人たちもわたしたちのように、猫との触れ合いを通じて疲れた心身を癒やしたのかもしれません。
そこで今回は偉人に愛された猫たちのエピソードを6つ紹介します。猫好きの方、必見の内容です。
1.偉人を支えた猫たちとそのエピソード6つ
1‐1.夏目漱石に愛された招き猫「黒猫」
夏目漱石といえば「日本の小説家」で、猫を題材とした小説「吾輩は猫である」を執筆し、猫の視点から人間社会を風刺した作品が有名ですね。
そんな夏目漱石ですが、生涯にわたり3匹の猫と暮らしたほどの「猫好き」だったようです。最初の猫は漱石が37歳のときに出会った黒猫で、当時神経衰弱に悩んでいた漱石の心を癒し、漱石の運命を変えた猫でもあります。
いたずらっこの猫でしたが、その存在は漱石にとって「落ち着き」そのもの。「吾輩は猫である」はこの黒猫をモデルにして執筆した作品で、その後の漱石の活躍はうなぎ上りとなりました。
残念ながら「吾輩は猫である」を発表して約4年後に黒猫は亡くなってしまいましたが、その後漱石が知人に黒猫の「死亡通知書」を送ったという話は有名で、ご存じの人もいるかもしれません。
なお漱石にとても愛された黒猫だったのですが、漱石は最後まで猫に名前は付けなかったようです。
1‐2.谷崎潤一郎に愛された猫「チュウ」「ペル」
日本を代表する文豪の一人である谷崎潤一郎は、生前猫を深く愛する人としても知られていました。女性愛が強かったことは有名ですが、女性と同じように愛したのが猫でした。
彼は猫の日々をエッセイに綴るなど、猫への愛情を公私ともに見せていました。
なかでもイギリス品種の猫「チョウ」は、気高さと賢さをもっており、彼のお気に入りの猫です。この「チョウ」をモデルにして執筆されたものが「猫と庄造と二人のおんな」ともいわれるほど。
そして「チョウ」が亡くなった後に愛されたシャム猫「ペル」は、死後も剥製としてずっと側に置いていたという話もあります。このことからも谷崎潤一郎は非常に「猫好き」だったことがわかりますね。
なお「ペル」のはく製は、芦屋市にある谷崎潤一郎記念館で見ることができるようです。
1‐3.三島由紀夫を支えた愛猫
三島由紀夫は戦後の日本文学を代表する作家であり、劇作家・評論家・政治活動家としても知られています。
政治活動にも積極的に参加し、1970年陸上自衛隊市ヶ谷駐屯地でクーデター未遂を起こし、割腹自決を遂げました。
そんな過激なイメージのある彼ですが、実は根っからの「猫好き」という穏やかな一面も持っていました。猫を「美の塊」といったり「心の支えは猫」とも言い切っていたようです。
結婚後は奥さんが猫嫌いのため愛猫を実家に預けていましたが、奥さんが寝た後に猫が会いに来てくれるのは彼の「楽しみ」であり、いつ来てもいいようにと煮干しを隠していたという話もあります。
過激なイメージを持たれる三島由紀夫も、猫の魅力には敵わなかったようです。
1‐4.南方熊楠を支えた猫たち「チョボ六」
南方熊楠は明治から昭和初期にかけて活躍した、日本の博物学者・民俗学者・生物学者であり「知の巨人」といわれた天才。和歌山県生まれで幼い頃から自然に親しみ、動植物に関する深い知識を身につけていました。
そんな熊楠が飼っていた猫の名前は、「チョボ六」という猫です。飼っていたといってもペットとして飼っていたのではなく、庭にくる猫たちをみな「チョボ六」と名付け、一緒にご飯を食べたり、身を寄せ合ったりしていました。
チョボ六は熊楠の良き理解者であり、孤独な研究生活を支える存在。南方熊楠は、生涯を何代にも渡る「チョボ六」とともに過ごしたといわれています。
1‐5.マーク・トウェインの30匹の愛猫たち
19世紀アメリカを代表する作家マーク・トウェインは、生前猫をこよなく愛する人としても有名でした。代表作は「トム・ソーヤーの冒険」ですが、ご存じの人は多いかもしれません。
彼は「もし人間と猫を混ぜればわたしたちは進歩するだろう。だが、猫は悪化してしまう」と語ったり、生涯に30匹以上の猫を飼った大の猫好き。一度に19匹の猫を飼育したこともあったようです。
人よりも猫が好きだった彼は、猫に尊敬の念を抱いていたともいわれており、猫たちも彼の心を癒して支えていたのでしょう。
1‐6.マリー・アントワネットに愛された猫「ターキッシュアンゴラ」
マリー・アントワネットは、フランス国王ルイ16世の妻で「フランス王妃」。フランス革命によって処刑という最期を迎えた彼女ですが、生前はこよなく猫を愛していた人物です。
彼女が愛したのはトルコ原産の「ターキッシュアンゴラ」という品種の猫。
メインクーンの祖先ともいわれる猫ですが、「トルコの生きる国宝」ともいわれるほどの美しい見た目を持つ猫で、その気高い容姿で王妃の心を支えていたのかもしれません。
彼女はフランス革命が勃発すると、アメリカに逃げることを計画します。その際に6匹の「ターキッシュアンゴラ」を先にアメリカに送ったのですが、彼女がアメリカにたどり着くことはありませんでした。
そんな悲劇の王妃「マリー・アントワネット」ですが、彼女の心を慰めたのも6匹の「テーキッシュアンゴラ」だったのでしょう。
2.まとめ
猫は多くの偉人たちの心を癒し、ときには創造性を刺激し、人生に大きな影響を与えてきました。猫との出会いが、彼らの仕事や人生を大きく変えたというエピソードも少なくありません。
猫は単なるペットではなく人間の良き理解者であり、かけがえのないパートナー。その存在は時代や立場を問わず、私たちの人間の生活に多くの喜びや癒しを与えてくれるものです。