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北朝鮮が28日、29日と短距離弾道ミサイル連続発射。2022年ミサイル発射数は38発、発射成功36発

JSF軍事/生き物ライター
Google地図より筆者作成。2022年9月25~29日の北朝鮮ミサイル発射状況

 北朝鮮は28日午後6時ごろに短距離弾道ミサイル2発を平壌市の近郊にある順安から日本海に向けて発射し、翌日の29日午後9時ごろにもまた短距離弾道ミサイル2発を平安南道・順川から日本海に向けて発射しました。どちらも低い高度を滑空して飛ぶタイプで、KN-23短距離弾道ミサイル(北朝鮮がロシア製イスカンデルを模倣したもの)ではないかと推定されています。

 25日に短距離弾道ミサイル1発を平安北道・泰川から日本海に向けて発射したのに続いて、北朝鮮は最近数日の間に3回・合計5発の短距離弾道ミサイルを発射したことになります。

2022年の北朝鮮ミサイル発射一覧(9月29日まで)

  • 1月05日朝 1号 「極超音速ミサイル」
  • 1月11日朝 2号 「極超音速ミサイル」
  • 1月14日夕 3、4号 KN-23鉄道型
  • 1月17日朝 5、6号 KN-24
  • 1月25日朝 7、8号 巡航ミサイル
  • 1月27日朝 9、10号 KN-23車両型
  • 1月30日朝 11号 火星12
  • 2月27日朝 12号 火星17(予備実験)
  • 3月05日朝 13号 火星17(予備実験)
  • 3月16日朝 失敗 火星17(推定)
  • 3月20日朝 カウントせず(多連装ロケット4発)
  • 3月24日夕 14号 火星15?(火星17の偽装説)
  • 4月16日夕 15、16号 新型小型SRBM
  • 5月04日昼 17号 火星17(予備実験?)
  • 5月07日昼 18号 イスカンデルSLBM型?
  • 5月12日夕 19、20、21号 KN-25?
  • 5月25日朝 22号、失敗、23号 火星17予備実験?と極超音速兵器?
  • 6月05日朝 24、25、26、27、28、29、30、31号 KN-23・KN-24・KN-25・新型小型SRBM?
  • 9月25日朝 32号 KN-23?
  • 9月28日夕 33号、34号 KN-23?
  • 9月29日夜 35号、36号 KN-23?

※失敗2発を含め20回の発射機会で38発のミサイル発射となります。予備実験を含め発射成功は36発です。

※KN-23(イスカンデル型)、KN-24(ATACMS型)、KN-25(超大型放射砲、放射砲は多連装ロケットの意味)、これらは短距離弾道ミサイル(SRBM)。KNナンバーはアメリカ軍のコードネーム。

※600mm超大型ロケット弾(KN-25)は並みのSRBM(短距離弾道ミサイル)より巨大なので、SRBM扱いされます。

※300mm以下の多連装ロケットや対艦ミサイルはカウントせず。弾道ミサイルと巡航ミサイル(対地用)のみをカウント。

※火星12は中距離弾道ミサイル(IRBM)、火星15と火星17は大陸間弾道ミサイル(ICBM)、SLBMは潜水艦発射弾道ミサイルのこと。

※北朝鮮が発射を報告したのは4月16日発射の新型小型SRBMまでで(翌17日公表)、それ以降は北朝鮮自身による発射報告はありません。

韓国軍発表の北朝鮮ミサイル飛行性能(9月25日、28日、29日)

  • 泰川:9月25日朝 水平距離600km、最大高度60km、速度マッハ5
  • 順安:9月28日夕 水平距離360km、最大高度30km、速度マッハ6
  • 順川:9月29日夜 水平距離350km、最大高度50km、速度マッハ5

※9月25日に観測した速度は最大速度(この場合は燃焼終了時点での速度)ではない可能性がある。

※9月28日に観測した最大高度は不正確な可能性がある。

※推定着弾地点は筆者によるもの。飛距離から推定したもので正確である保証はない。

※25日は1発のみ、28日と29日は2発ずつ発射。

Google地図より筆者作成。2022年9月25~29日の北朝鮮ミサイル発射状況
Google地図より筆者作成。2022年9月25~29日の北朝鮮ミサイル発射状況

関連記事:北朝鮮がミサイル発射。しかし公式発表は無し(2022年9月26日)

軍事/生き物ライター

弾道ミサイル防衛、極超音速兵器、無人兵器(ドローン)、ロシア-ウクライナ戦争など、ニュースによく出る最新の軍事的なテーマに付いて兵器を中心に解説を行っています。

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