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ソフトバンク中村亮太が再び育成契約に。「もう一度這い上がって、今年の経験を活かしたい」

田尻耕太郎スポーツライター
再出発で「這い上がる」と誓った中村亮

 ソフトバンク・中村亮太投手が10日、契約更改に臨み育成選手として再契約した。

 中村亮は東農大北海道オホーツクから2020年育成ドラフト8位で入団。最速154キロを誇る直球とシンカーを武器にした高い奪三振能力が魅力の右腕は、今季二軍戦で好投を続けて7月に支配下登録を勝ちとった。

 すぐに一軍昇格し7月7日の楽天戦(楽天生命パーク)でデビューを果たしたが、1回4安打3失点とアピールに失敗。同20日に再び楽天戦(北九州)に登板するも1回2/3を7安打7失点と打ち込まれた。その後ファーム降格となり、再昇格を果たせずにシーズンを終えた。2戦に投げての防御率は33.75だった。

 そして10月22日、球団より来季は支配下選手として契約しない旨を告げられていた。その当日は気持ちの整理がつかないとのコメントも残していたが、現在は宮崎秋季キャンプに参加している。

秋季キャンプでは明るい表情も。右は斉藤和巳投手コーチ
秋季キャンプでは明るい表情も。右は斉藤和巳投手コーチ

【契約更改後の取材、主な一問一答】

――球団とはどのような話を?

「来年は育成契約でやってもらいたいという内容でした。当然、自分が一軍で結果を残せなかったからだけど、編成担当の方からは『枠の兼ね合いなどで落としただけ。だから、自分を責めてほしくない。これからも頑張ってほしい』と言ってもらいました」

――10月の通達の段階では迷いも

「今年は支配下登録という嬉しいことがあったけど、すぐに戦力外だった。ただ、沢山考えた中で、一軍で打たれたときに、監督やコーチがすぐには僕を代えなかった。『これから、この経験を活かしてほしい』という思いを感じ取れた。僕はその思いを、お返ししたい。だからホークスに残って育成で、もう一度這い上がって、その経験を活かしたいと思いました」

――今後に向けて

「今年はたくさんの経験をさせてもらった。戦力外も経験。そこもバネに『あの戦力外があったから』と言えるように、今後頑張っていきたい」

――来季巻き返しへの取り組みは?

「一軍公式戦では打たれたけど、オープン戦では通用した部分もあった。シーズンが後半になるにつれて、スピードが落ちた。そのままの状態で一軍に行って打たれてしまった。今は体力強化、体つくりをしている。周りから違うなと言われるくらいになりたい。下半身強化を重点的にやっています」

※写真はすべて筆者撮影

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。「Number web」でのコラム連載のほかデイリースポーツ新聞社特約記者も務める。2024年、46歳でホークス取材歴23年に。 また、毎年1月には数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。

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