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2000安打&300本塁打の26人は、どちらを先に達成したのか。次に両方達成となるのは…

宇根夏樹ベースボール・ライター
中村紀洋 AUGUST 17, 2004(写真:青木紘二/アフロスポーツ)

 日本プロ野球で2000本以上のヒットを打った選手は、54人を数える。300本塁打以上は44人だ。ざっくり括ると、どちらも50人前後。そのうちの26人は、共通している。2000安打と300本塁打、どちらも達成した選手だ。

 彼らがこの2つのマイルストーンに到達した順序は、どの選手もほぼ同じ。300本塁打が先、2000安打が後だ。

筆者作成
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 例外は、新井貴浩だけ。2016年4月26日に2000本目のヒットを記録し、そこから98日後の8月2日に300本目のホームランを打った。順序を問わず、同じ年に両方を達成した選手も、新井の他にはいない。それぞれの達成日が2番目に近い和田一浩でも、300本塁打が2014年4月8日、2000安打は翌年6月11日なので、1年以上の開きがある。ちなみに、新井と和田の通算本塁打は、どちらも319本だ。

 一方、中村紀洋は、300本塁打と2000安打の到達が最も離れている。2004年6月4日と2013年5月5日。2000安打に到達したのは、300本目のホームランを打ってから、ほぼ9年後だ。

 2つのマイルストーンの遠近は、一般的に、打者としてのタイプの違いによる。なかには、そうではない選手もいるが、パワー・バッターパワー・ヒッターは、300本塁打と2000安打の到達が離れていることが多い。

 張本勲の場合、通算本塁打は歴代7位タイの504本だが、300本塁打の翌年に2000安打を達成していて、その近さは、新井と和田に次ぐ。ただ、1959~81年の23シーズン中、35本塁打以上のシーズンは一度もなかった。パワー・ヒッターだったとは言いかねる。もちろん、パワーがほとんどない選手は、2000本のヒットは打てても、300本のホームランを打つことはできない。

 現在、日本プロ野球に在籍している選手のなかには、300本塁打以上と2000安打以上が、どちらも2人いる。454本塁打の中村剛也(埼玉西武ライオンズ)と301本塁打の松田宣浩(読売ジャイアンツ)、2205安打の坂本勇人(読売)と2086安打の栗山巧(埼玉西武)だ。また、300本塁打と2000安打を100%ずつとした場合、少なくとも一方の達成率が75%以上の選手は、彼らを含めて11人いる。

筆者作成
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 301本塁打の松田は、2000安打まで169本。2205安打の坂本は、300本塁打まで34本だ。坂本が両方を達成した場合、2000安打が先、300本塁打が後の順序は、新井に続く2人目となる。また、浅村栄斗(東北楽天ゴールデンイーグルス)は、どちらのマイルストーンも、到達まで15%未満に近づいている。

 2000安打&300本塁打の27人目は、この3人の誰かではないだろうか。坂本と浅村は、再来年までプレーすれば、どちらが先になるかはわからないが、達成できそうだ。松田は、新天地で復活できるかどうか。2000安打には届かず、キャリアを終えることになるかもしれない。

 なお、2000安打や300本塁打に近づきながら、たどり着けなかった選手については、こちらで書いた。

「2000安打まで100本未満に迫りながら、届かなかった選手は7人。中島宏之は8人目となるのか」

「300本塁打に届かなかった選手たち。残り5本で3年連続0本も。中田翔と山田哲人はあと12本と29本」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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