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10者連続奪三振のリリーフ投手はシーズン奪三振も多かったのか。エストラーダは13者連続奪三振を継続中

宇根夏樹ベースボール・ライター
ジェレマイア・エストラーダ(サンディエゴ・パドレス)May 28, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 5月23日以降、ジェレマイア・エストラーダ(サンディエゴ・パドレス)は、3登板で4.2イニングを投げ、対戦した15人中13人から三振を奪っている。

 5月23日は、1人目を外野フライに討ち取り、2人目にシングル・ヒットを打たれた後、5人続けて三振に仕留め、次の投手と交代した。26日は5人中5人、28日は3人中3人から三振を奪ったので、13者連続奪三振だ。

 イライアス・スポーツ・ビューローによると、データが判明する1961年以降、エストラーダが上回るまでは、ホゼ・アルバラード(フィラデルフィア・フィリーズ)が昨シーズン最初の5登板(4月1日~12日)に記録した、11者連続奪三振が最も長かったという。エストラーダの13者連続奪三振は、先発登板あるいは先発登板&リリーフ登板の投手を含めても、最長らしい。

 また、アルバラードが11人続けて三振に仕留めた当時、フィリーズのゲーム・ノーツは、こちらもイライアス・スポーツ・ビューローの情報として、1シーズンに10者連続奪三振のリリーフ投手は、2003年5月17日~21日のエリック・ガニエと2019年9月18日~24日のチャド・グリーン(当時ニューヨーク・ヤンキース/現トロント・ブルージェイズ)だけ、と謳っていた。

 シーズンをまたいで10者連続奪三振のリリーフ投手がいるのかどうかは不明だが、見落としがなければ、アルバラードの11者連続奪三振とエストラーダの13者連続奪三振の間に、10者連続奪三振もしくはそれより長いストリークを記録した投手はいない。

 2003年のガニエは、77登板で82.1イニングを投げ、137三振を奪った。9イニング平均の奪三振率は14.98、対戦した打者に占める奪三振の割合は44.8%だ。それぞれ、1シーズンにリリーフ50イニング以上の投手のなかで、歴代27位と9位に位置する。ガニエは、2002年から2004年にかけて、史上最長の84連続セーブ成功を記録した。

 2019年のグリーンは、54登板の69.0イニングで98奪三振、奪三振率が12.78、奪三振の割合は33.2%。2023年のアルバラードは、42登板の41.1イニングで64奪三振、奪三振率が13.94、奪三振の割合は37.2%だ。ガニエと違い、2人の奪三振率と奪三振の割合は、もっと高かったシーズンがある。なお、2019年のグリーンは、リリーフ39登板と先発15登板だが、スウィングマンではなく、先発マウンドにはオープナーとして上がった。

 エストラーダは、12登板の16.1イニングで58人に対して投げ、28三振を奪っている。奪三振率は15.43、奪三振の割合は48.3%。スタットキャストによると、奪三振の3ストライク目は、スプリッターが13球、4シームが11球、スライダーは4球だ。防御率は0.55を記録している。

 今シーズンは、メジャーリーグ3年目。過去2シーズンは、シカゴ・カブスで投げ、計17登板の16.1イニングで81人に対して投げ、21奪三振。奪三振率は11.57、奪三振の割合は25.9%、防御率は5.51だった。昨オフ、ウェーバーを経由し、カブスからパドレスへ移籍した。

 エストラーダのストリークは、まだ継続している。5月29日は登板せず、30日は試合がなかった。31日から、パドレスは、カンザスシティ・ロイヤルズと3試合を行う。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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