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【京都市西京区】静かな住宅街のハワイアンカフェは53年続く和菓子屋さんだった 手作りあんみつが美味!

HOTSUU地域ニュースサイト号外NETライター(京都市)

 阪急上桂駅から西へ府道29号線を渡って鈴虫寺・苔寺参道へ向かうと松尾谷の神木となる樹齢400年といわれる大クスノキがあります。そこから嵐山方面へ少し行ったところに「和カフェやってます」とキャッチ―なタペストリーがありました。昭和な木造建物には「満為」と書かれた古い看板がモニュメント風に残されていました。

 気になってその店「和カフェmantame」へ2024年6月1日に入ってみることにしました。緑多めのウッドデッキ風の玄関をひとたび入ると、店内は一転ハワイアン調の装飾、衣装や小物が置かれていてアンバランスが楽しいかも!

 とりあえず小腹が空いていたので、赤飯と味噌汁のセットを注文しました。赤飯はもっちりべちゃあとした感じではなく、薄味でさっぱりとして美味しい。添えられたこちらも手作りの塩昆布がちょうど良い感じのアクセントになります。

 店主の高野清隆さんによると水分が少ない佐賀県産のもち米「ひよく」と北海道十勝産の大粒小豆を用いてゴマ塩を使わず自然の塩味をつけるという創業当初からの製法で炊き上げているのだそう。ちなみに赤飯の小豆はお祝いなので割れないように炊かなければならないのだとか。

 デザートには「あんみつと冷たい緑茶のセット」を注文。黒蜜か白蜜かが選べます。このあんみつに使われる寒天は、これだけを求めて遠くから来店する人もあるほど手作りの伝統製法を守る逸品です。食べた瞬間、つるっとなめらかで市販のものと全然違う食感。「本来の寒天の味はこれなんだ」と感じさせてくれます。これからの季節に最高ですね!

 他にも6月30日に食べるとされる「水無月」や餡入りわらび餅の「涼餅」、「しそ餅」などは伝統の製法で製造販売されています。和菓子を作っているのは和菓子職人2代目となる奥様の敏子さんです。ショートケーキやシフォンケーキセットなど洋菓子も製造されていて、こちらは店主の清隆さんが担当です。

 そうなんです、50年近く前に和菓子店「萬為」の2代目となる敏子さんに洋菓子屋さんに勤めていた清隆さんが大山崎町から婿入りしたんですね。その後、2019年4月のコロナ禍直前に和菓子店を閉店。「こころ」始め伝統の上生菓子は作れないものの、地域の人たちに集える場所を続けてほしいと要望され、和カフェにリニューアルオープンした和洋折衷の店です。

 ちなみに店内がハワイアン調なのは敏子さんがフラダンスをしているからだそうです。話好きの仲睦まじいご夫婦がアットホームに迎えてくださいます。鈴虫寺や苔寺、浄住寺、地蔵院などにお越しの際など、ぜひお気軽に立ち寄ってみてください!

 「和カフェmantame」京都市西京区松尾大利町79−11 075-381-6990

地域ニュースサイト号外NETライター(京都市)

 「YAHOO!ニュース ベストエキスパート2024 地域クリエーター部門 特別賞」を受賞 京都をこよなく愛する地域ニュースサイト号外NETの京都市担当タウンクライヤ―です。四国から大阪の元地方紙記者。観光ガイドをしながら京都時空観光案内2024(観光ガイドのための京都案内マニュアル)全19巻や「やさぐれ坊主京を創る 前田玄以の生涯」(京都文学賞一次審査通過)はじめ、京都を題材にした小説なども執筆しています。

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