【京都市右京区】平安期丈六の阿弥陀と出会える紅葉の超穴場寺でマルシェ。だし巻き屋のプリンや新鮮野菜も
京都地方気象台(外部リンク)によると2024年11月18日(月)から24日(日)までの最低気温は7度~最高気温16度とようやく平年並みの水準に落ち着くようですね。遅れていた紅葉も一気に色づくことが予想されます。
さて、鳴滝の周山街道の入口にあたるちょうど福王子神社の交差点を上がって、嵯峨野病院に入る道を奥まで進んだ小丘にある「いづみ谷 西寿寺」は、琉球で浄土信仰を広め、沖縄の伝統芸能として今に伝わる「エイサー」の祖として知られる浄土宗の袋中上人(たいちゅうしょうにん)によって、寛永4年(1628年)に建立されました。
そのモミジと冬桜のマルシェが11月17日に行われていると聞いて訪問してみました。参道の長い階段を覆うモミジのトンネルがありました。本堂前にも2対の見事な大モミジがあります。庵主様の稲垣妙順代表役員に伺うと、樹齢100年なのだそう。「今年は暑さが続いているので色づきが1ヶ月遅れています。冬桜もまだまばらです」と話します。
冬桜は二季桜と呼ばれ、春の時期とこの時期の二度開花する珍しい品種だそうです。紅葉が色づくと絶景やなあと感じました。いやあ、まさにここは超穴場ですね! まさかこんな素敵なところが残されていたなんて驚きです。
本堂前で、「おとぎ奏者Tomozoと女将」(外部リンク)さんによる「涙そうそう」や「川の流れのように」などの演奏を堪能した後、本堂内でプロジェクションマッピングがあるというので入ってみると、立派な丈六の阿弥陀が座しておられました。かつては滋賀県甲南町の新宮大明神の神宮寺に祀られていたといいます。明治期の廃仏毀釈で西寿寺に移されました。
調査によって平安後期に大仏師定朝の正統な流れを汲む仏師によって造られたことが証明されています。美しく響く水琴窟の音色の中で、寄木作りのふっくらとしたお顔立ちの阿弥陀様に、自前で制作したという幻想的な映像が映し出される姿は見事なものでした。
マルシェでは、松尾の「出し巻き工房すゑひろ」(外部リンク)さんの出し巻きや本気のプリン、豚汁、豆乳ドーナツや米粉クレープ、また、仁和寺近くで伝統京野菜や時代と共に薄れゆく希少な地野菜などを販売する「御室のよしむら」(外部リンク)から厳選野菜、「ever coffee」(外部リンク)の淹れたてコーヒーと西山こっぺ堂のコッペパン、また西寿寺の小坊主ブースなども出店されました。
これからどんどん情景が美しくなると思われます。最後に残された穴場に立ち寄ってみてはいかがですか!
いづみ谷 西寿寺(外部リンク)京都市右京区鳴滝泉谷町16 075-462-4851