後方から執拗にあおられ他車と衝突 恐怖の映像に反響 もし自分ならどうすべきか
■執拗な「あおり運転」の被害を受けたらどうする?
9月25日に公開したあおり運転裁判の判決記事(以下)には多くの反響をいただきました。
【ドラレコ動画公開】逃走したあおり運転者に4600万円の賠償命令 画期的判決の中身とは…(2023.9.25)
現場から逃走した加害車両をドライブレコーダーに記録されていた車種やナンバー等の情報から突き止め、所有者を相手に提訴。被告側は控訴したものの、高裁で原告(被害者)が完全に勝訴したという結果は、大変画期的なものでした。
一方で、執拗に追跡された「被害者」とはいえ、加害者から逃れる際にパニックに陥り、信号無視を余儀なくされたこと、そして最終的に、二次被害とも言える他車との衝突事故を起こしたことについては大変恐ろしいことで、考えさせられました。
以下は、この記事で紹介した「あおり運転動画」のロングバージョンです
(被害者のAさん編集)。
あおり運転を受け、結果的に他車に被害を与えてしまったAさんは、自身が起こした衝突事故の被害者(タクシー)に対して誠心誠意、謝意を表明しておられます。
しかし、もしそこに歩行者や自転車、バイク、その他複数の車がいたら、どうなっていたでしょうか……。
想像するだけで恐ろしくなります。
■あおり運転の車に追いかけられ、「殺すぞ!」と怒鳴られて
警察庁によれば、「あおり運転に関するアンケート」に回答した運転者のうち35%、つまり約3人に1人が、過去1年間に「あおり運転」の被害を受けた経験があると回答しているそうです。
また、「あおり運転」をされた場所は、約77%が一般道路、約23%が高速道路で、あおり運転の内容については、「後方からの著しい接近」が80%を超えています。
では、本件のように、深夜の一般道をひとりで走行中、万一あおり運転を受け、「後方からの著しい接近」を受けた場合、どうすればよいのでしょうか。
Aさんはあおり運転で追走されている途中、ウインドウを開けた相手の運転手から「殺すぞ!」と怒鳴られていました。命に危険を感じ、パニックに陥るのも無理はないでしょう。
でも、実際に自分が被害に遭ったときのことを考えると、とっさに対処法が思いつかないという人も多いのではないでしょうか。
そこで改めて、こうした状況に陥ったときにとるべき行動についてシミュレーションしておきたいと思います。
■今一度確認しておきたい、あおり運転への対処法
警察庁のサイトではこのように呼びかけています。
「あおり運転」は、他の車両の通行を妨害し、重大な交通事故にもつながる極めて悪質で危険な行為です。
令和2年(2020年)6月30日に「あおり運転」を取り締まる「妨害運転罪」が創設されました。これにより、違反1回で免許取消処分となり、最長5年懲役刑や罰金など厳しい罰則が科されます。
そして、あおり運転を受けたドライバーの対処法についてはこう記されています。
妨害運転を受けるなどした場合は、サービスエリアやパーキングエリア等、交通事故に遭わない場所に避難するとともに、車外に出ることなく、ためらわずに110番通報をしてください。
まずは「避難」して車を止めることが1番の対処法のようです。追いかけられるからといってそのまま高速度で逃げることは、次なる重大事故が起こる可能性があり大変危険です。
とはいえ、一般道の場合はサービスエリアやパーキングがないので不安ですが、それでもやはり、走り続けて逃げるのではなく、車をいったん停止させて窓を閉め、内側からロックをかけて110番をしてください。
■あおり運転の典型例とは?
ちなみに、警察庁のサイトには、あおり運転の取締り対象となる典型例として、次の10項目を挙げています。
自分自身が気づかないうちに「あおり運転」ととられるような行為をしていないかどうか、そのことについても、今一度、我が身を振り返り、気をつける必要がありそうです。
とにかく、あおり運転がエスカレートするとお互いに大変危険です。
走って逃げる、追いかけるなどの行為は、絶対にやめましょう。
そして、万一相手が脅しや暴力的な行為に及んでも、警察が現場に到着するまで絶対に車外に出ないで、じっと待機してください。