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【滋賀レイクス・川真田絋也】パリ五輪のメンバーに入ったらゴベアに挑戦したい

青木崇Basketball Writer
フィジカルに戦えるビッグマンとして代表定着を目指している川真田(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

「あのワールドカップが終わってからの次の合宿です。内容的にはアジアに向けてですが、もちろんこれもパリ五輪へ向けて、僕にとっては一つの挑戦だと思っています。ここでやっぱりアピールしたり、いろいろできることをやっていきたい」

 こう語ったのは、FIBAアジアカップ予選のグアム戦と中国戦に向けた日本代表の合宿に参加している滋賀レイクスの川真田絋也。沖縄アリーナを熱狂させた日々から半年、B1昇格を目指しての戦いを続ける滋賀で貢献しているセンターは、パリ五輪の代表入りに向けた競争の場に戻ってきた。

 今季の川真田は足のケガで離脱する時期もあったが、外国籍のブロック・モータムやジャスティン・バーレルが欠場している間には、204cm、110kgの身体を最大限に生かしたプレーでの活躍の機会が増している。17分弱の平均出場時間で2ケタ得点を8度記録し、11月4日の神戸ストークス戦では10点、10リバウンドのダブルダブルを達成。昨季B1からB2に降格するという苦い経験をした川真田だが、今季も滋賀でプレーするという決断が正しかったことを自ら証明している。

「僕もケガしてしまったんですけど、ケガ人がいる中でもプレータイムをもらえるということは、一つの大きな成長と思います。そういうときも対戦するのは外国籍です。やっぱり外国籍とやるのは世界への挑戦でプラスなことだと思っているので、すごくいい経験というか、いいチャンスをもって滋賀レイクスで試合できていると思ってます」

 ワールドカップでの川真田は、ジョシュ・ホーキンソンをベンチで休ませる間に出場するバックアップのセンターだった。しかし、今回のFIBAアジアカップ予選、そして夏のパリ五輪に向けては、一定の出場時間を得られるローテーション入りを目指している。

 ワールドカップ後に3Pを含めたシュート力のレベルアップに力を入れているが、日本代表で最も貢献できる部分と役割は、ディフェンス、リバウンド、いいスクリーンをかけて得点チャンスのクリエイトと不変。今回のアジアカップ予選では、フロントラインのサイズがある中国戦で存在感を出せるかが、川真田のプレーを見るうえで特に注目したいポイントになる。

 それは、「ディフェンスがメインはもちろんですし、やっぱり僕よりデカい選手とかたくさんいます。もちろん簡単に止められるとは思ってませんけど、その辺のディフェンス、本当にゴール下の1対1とかはもっとレベルアップしていかないとできないところです」と語った川真田自身だけでなく、チームにとっても大きな意味を持つ。

 アジアカップ予選はこれまでの経験を活かせる絶好の機会であり、成果を出すことがパリ五輪のメンバーに入るために必要なステップ。Bリーグとワールドカップを通じて、川真田はいろいろなタイプのビッグマンとマッチアップしている。その中で最もマッチアップが大変だと思った選手はだれか? と質問すると、川真田はこのように返答した。

「練習ゲームでしたけど、フランスの(ルディー)ゴベアがやっぱりデカくてゴツかったです。当たり前ですけど、俺よりデカい選手、ゴツい選手がいっぱいいるなと思いましたね。ああいう自分よりデカい人はBリーグでもカイ・ソット(横浜ビー・コルセアーズ、フィリピン代表)とかいますけど、そこまでゴツい選手はなかなかいません。だからそういう部分ではやっぱり驚きというか、すごいと思いました」

 パリ五輪のメンバーに入るための競争はまだ始まったばかり。ゴベアにもう一度チャレンジできるかもしれないというのは、川真田にとってワクワクする要素であり、大きなモチベーションとなっている。自身が思い描くチャレンジを五輪の舞台で実現するためにも、FIBAアジアカップ予選でステップアップできるかに注目したい。

Basketball Writer

群馬県前橋市出身。月刊バスケットボール、HOOPの編集者を務めた後、98年10月からライターとしてアメリカ・ミシガン州を拠点に12年間、NBA、WNBA、NCAA、FIBAワールドカップといった国際大会など様々なバスケットボール・イベントを取材。2011年から地元に戻り、高校生やトップリーグといった国内、NIKE ALL ASIA CAMPといったアジアでの取材機会を増やすなど、幅広く活動している。

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