太陽は雲の上で輝く:現実を無視せず真実を忘れず、嵐と戦う人の役立つために
大雨でびしょ濡れの人に、太陽は雨雲の上で輝いているなんて話しても助けにはならない。必要なのは傘。それでも、太陽が輝いていることを私たちは忘れない。(この記事は、「心理学総合案内こころの散歩道」内の「今日の心理学」に掲載した内容を、大幅に加筆修正したものです。)
■「スマイル」
ソチオリンピック出場のフィギュアスケート選手浅田真央さん。失敗から立ち直り、笑顔が戻った浅田選手がエキシビジョンで使った曲が、IMAの「スマイル/この素晴らしき世界」です。
この歌の歌詞に、「空が雲に覆われても大丈夫。君が微笑むなら」という意味の言葉がでてきます。はい。大丈夫です。だって、雲の上には太陽が輝いているのですから、微笑を忘れず、希望を捨てなければ、きっと雨はやみます。やまない雨はありません。
とはいうものの、今びしょ濡れの人にそんなことを言っても、どれほどの人が聞いてくれるでしょうか。
■大嵐のとき
真っ黒な雲が空をおおい、激しい雨と風がやってきた。
荒れ狂う嵐。雨に打たれびしょぬれになり、風で飛ばされそうになりよりよろと歩いている、そんな時。
たしかにそんな時にも、太陽はその上で輝いています。
でも、そんなことが信じられないくらいの悪天候なのです。厚い雲の上で、太陽はいつもと同じように輝いてると頭ではわかっているのですが。
激しく辛い現実を前にして、私たちは「真実」が見えなくなってしまうことがあります。厳しい「現実」に理想も夢も希望も押しつぶされ、負けそうになることもあります。
辛い出来事が重なる中で、こんな自分なんかいなくなってしまえばいいとか、世の中は悪い人間ばかりだとか、自分が死んでも誰も悲しまないとか。そんなふうに思うことがあります。それは、間違ってはいるのですが。
死にたいほど悩んでいる人に、命の大切さや人生の素晴らしさを説教しても、その心には届かないのです。
■びしょ濡れの人に必要なこと
嵐の中でびしょ濡れになっている人は、被害を上受けています。今は泣いているかもしれません。でも、ただの被害者ではありません。嵐と戦っている人々です。この人たちは、共にぬれながら共に戦ってくれる人を探しています。
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