あなたの記憶は本物か:「嘘をつく記憶」の心理学
■確かな記憶でも、実は間違っている
ある女性の話です。小さいころ、おばさんの家に遊びに行くと、いとこの子からよく噛みつかれていたそうです。大人になっていから、おばさんに「私、おばさんの子から、よく噛みつかれていたよね」と話したところ、おばさんはびっくり。
「噛みついていたのは、あなたの方よ」。
嚙みつかれていていたと思っていたのに、実は自分が噛みつていたのです。
次は、ある事件の目撃者証言の話。
「私は、事件現場付近で、この人を見ました。確かに見ました」。その証言をもとにして、容疑者が逮捕されたのですが、あとになって、その人にはアリバイがあることがわかり、そして別人が真犯人として逮捕されました。
それでも、目撃者は「たしかに見たのに」と言っていました。研究によれば、自分の記憶の確信度と、その記憶が真実であるかどうかは、関係がありません。
また人は、「この人を見たことがある」とはわかるのですが、いつ、どこで見たのかは、記憶があいまいになるものです。アメリカでは、テレビで見ただけの人を、犯罪現場で見たと思い込み、証言してしまった例もありました。
私たちも、あの人どっかで見たことあるんだけど、どこだったけかなあ、なんてことはよくありますよね。
■作られる記憶:行ったことのない遊園地に行った記憶・事実無根の父からの性被害
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