DAZN値上げ auの「バンドル」プランはまだおトク?
1月12日、スポーツ動画配信「DAZN(ダゾーン)」が値上げを発表し、大きな話題になっています。同日にはDAZNを取り扱う携帯キャリアも新料金への対応を発表しました。
その中でも携帯料金とDAZNの「バンドル」プランを提供するKDDIは、値上げの内容が興味深いものとなっています。
「DAZNパック」は微妙な存在に
DAZNは2022年にも値上げが話題になりました。2023年2月14日からの新料金では、月間プランの税込料金が月額3000円から3700円に「700円」の値上げとなっています。
一方、年間契約をすると、月払いでは月額2600円から3000円に400円の値上げ。年間一括払いの場合は2万7000円から3万円となり、毎月の値上げ幅は250円と最も小さくなります。
このように、年間契約のおトクさが増したことが特徴といえます。見たいスポーツの配信がある月だけ契約している人にとっては、悩ましいところです。
携帯キャリアでは、NTTドコモは前回の値上げと同様、新料金が始まる日までに契約している人は、これまで通りの料金で使えるという方式です。
昨年の値上げ前に「月額1925円」で契約した人は据え置きとなっており、これから契約する人も、2月13日までなら月額3000円が適用されます。
一方、KDDIは携帯料金とDAZNのバンドルプランを提供しています。今回、値上げを発表しましたが、プランによって評価の声は分かれています。
スマホの使い放題とDAZNをセットにした「使い放題MAX 5G/4G DAZNパック」は、月額8338円から9768円に「1430円」の大幅値上げとなりました。DAZN公式の「700円」の値上げと比べると約2倍です。
この点についてKDDI広報部は、「各料金プランにおけるDAZN様との取引条件の変更を受けたものとなっております。引き続き、DAZNと使い放題MAX 5G/4Gを別々に加入するよりもおトクにご利用いただけます」と説明しています。
値上げ幅だけを見ると理解に苦しむところですが、もともとこのプランは毎月1100円の追加料金でDAZNがついてくるという破格の設定でした(割引額は1900円)。
しかし今回の改定では、これが2530円に上がっています(割引額は1170円)。背景として「取引条件の変更があった」とのことから、これまでの激安価格が本来の水準に戻ったのではないかと考えられます。
バンドルは「連帯責任」?
DAZNをバンドルしたもう1つのプランが、NetflixやYouTube Premium、Apple Musicなどを全部入りにした「使い放題MAX 5G ALL STARパック」です。
こちらの料金は月額9988円から10428円になり、1万円を超えましたが、値上げ幅はなんと「440円」にとどまっています。
このALL STARパックには、2021年の発表当初にDAZNは入っていませんでした。その後、2022年2月には「料金据え置きで」DAZNが加わっています。
これを踏まえて、今回の値上げが440円で済んだということから、ALL STARパックのおトク感はむしろ高まったといえるかもしれません。
ただ、問題があるとすれば、「DAZNに興味がない人」はどう感じているのか、という点です。
というのも、ALL STARパックを開始当初から契約している人にとっては、勝手にDAZNをバンドルされた上に、DAZN側の都合によって毎月の料金負担が増えたことになるからです。
個別に契約するよりも料金がおトクになるのはバンドルのメリットですが、そこに含まれるサービスが値上げされ、それまでの料金では値上げを吸収できない場合、契約者全員で負担することになるわけです。
この「連帯責任」感に耐えられない人は、「povo2.0」のように自分の好きなサービスだけを追加できるプランのほうが向いています。今回はこちらも値上げが発表されましたが、povo2.0ならDAZNを7日間単位で契約できます。