台風11号は顕著に発達し沖縄近海へ、かなり気がかりな海水温の高さ
台風11号は顕著に発達し沖縄近海へ
きのう28日(日)午後3時に小笠原諸島の東海上で台風11号が発生しました。
タイトル画像をみると、台風11号の丸い雲の他、日本の南海上の赤丸の中でも今後熱帯擾乱(ねったいじょうらん)が発生し、こちらが主体になるのではないかという予想がずっとあったのですが、ここにきて、台風11号が主体となり、しかも顕著に発達するような計算が一気に増えてきました。
どうやら日本の南の雲は、先に発生して勢力を強める台風11号に勢力を吸い取られてしまうような形となりそうです。
台風11号は、きょう29日(月)午前9時現在、中心気圧985hPa、最大風速30メートル、最大瞬間風速40メートルの勢力で西に進んでいます。今後は発達しながら、日本の南海上を西寄りに進み、9月1日(木)から3日(土)にかけて、950hPaを下回るような非常に強い勢力で沖縄近海に達する見込みです。
また3日(土)午前9時の予報円の直径は1300キロもあり、進むコースや時間ともにまだブレが大きな状態ですから、最新の情報に注意が必要です。
週末以降はどこへ向かう?
9月3日(土)、沖縄周辺に達したあとの台風11号のその後の進路は、本州付近に張り出す太平洋高気圧の勢力が鍵となりそうです。
5日(月)の太平洋高気圧の予想をみると、本州付近で勢力がやや強まり、西日本付近にまで張り出す予想で、台風11号はこの太平洋高気圧の西端をゆっくりと北上する見込みです。この太平洋高気圧がもっと強まれば、大陸へ進む可能性もあるし、弱まれば九州など西日本へ北上してくる可能性も考えられます。
今のところ、大陸へ進む可能性は小さく、東シナ海から九州付近を5日(月)から6日(火)頃に北上する計算が多くなっていますが、まだ1週間先なので、不確実性が大きい状態です。
GSM予想は東シナ海を北上予想
参考までに、日本の主となるGSMの予想では、週末に沖縄付近をゆっくり北上し、5日(月)から6日(火)にかけて、東シナ海から朝鮮半島を指向するコースとなっています。
台風11号が発生したことで、これまでよりは計算の精度が上がってきたと思われますが、まだ引き続き、計算変わりは大きく、予想は安定していません。ただ気になるのは台風11号が沖縄近海でかなり勢力を強める予想となっていることです。
かなり気がかりな海水温の高さ
気がかりなのが、日本の南の海水温の高さです。台風11号が進むであろう海域は平年より1度から2度ほど高く、30度以上となっています。
台風は暖かな海水から蒸発する水蒸気が多いほど発達する可能性が高く、特に30度以上もある場合は、日本近海と言えども顕著に発達する可能性があります。気象庁の予想でも、予報円が更新されるごとに台風はどんどん強まる傾向に変わり、3日(土)午前9時には940hPaの勢力となっています。
さらに種々の計算の中には、気象庁の予想よりもさらに強まり、930hPaを下回るような予想も多くなっています。沖縄を中心に、かなり強力な台風の襲来となるおそれがありますので、最新情報の入手に努めて下さい。