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ソン・フンミンの「“PKなし”で今季20ゴールは驚異」アジア人初のプレミア得点王の可能性は?

金明昱スポーツライター
リバプール戦で先制点を決めて20ゴール目を記録したソン・フンミン(写真:ロイター/アフロ)

 アジア人初のプレミアリーグ得点王の誕生となるだろうか――。

 トッテナムの韓国代表FWソン・フンミンが、プレミアリーグ第36節(5月7日)のリバプール戦で先制点を決めて今季リーグ20ゴール目を記録した。

 試合は1-1のドローに終わったが、ソンにとってはキャリアハイとなる記録。得点ランキング1位のエジプト代表FWモハメド・サラー(リバプール)の22ゴールに並ぶまであと「2」と迫っており、得点王争いにも注目が集まる。

 ただ、ソンは「チームが勝利するならば、自分がゴールを決めなくてもいい。来シーズンにチャンピオンズリーグに出場(リーグ4位以内)することに集中している」と意に介さない。

 それでもやはり、世界最高峰リーグでアジア人選手が得点王になるのを期待せずにはいられない。

 母国・韓国でも当然、快挙達成の可能性に大きく注目している。というのも、ソンはすでに様々な記録を塗り替えているからだ。

 今季リーグ20ゴール目は、プレミアリーグ通算90ゴール目でもあった。

 さらにその前の第35節(5月1日)のレスター・シティ戦で、ソンは2ゴールを決めて19ゴールに到達。

 この時点で“韓国サッカー界のレジェンド”でもある元韓国代表FWのチャ・ボムグン氏がブンデスリーガで記録したアジア人選手最多の17ゴール(1985-86シーズン)を抜き去り、ソンが欧州リーグでの韓国人最多ゴール数を更新した。

「欧州5大リーグ」でアジア選手のシーズン最多ゴール

 さらに「欧州5大リーグ」のプレミアリーグ(イングランド)、ラ・リーガ(スペイン)、ブンデスリーガ(ドイツ)、リーグ・アン(フランス)、セリエA(イタリア)でも、ソンの今季20ゴールは、アジア人選手のシーズン最多記録という。

 しかし「欧州1部リーグ」に範囲を広げると他の選手がいる。それはイラン代表FWのアリレザ・ジャハンバフシュ。彼はオランダのAZアルクマール(2017-18シーズン)で21ゴールを決めて、得点王となった。ただ、この記録もソンが追い抜く可能性を残している。

 もう一つ、注目すべき点はソン・フンミンの決定力だ。今季20ゴール中、PKでの得点は一つもなく、すべて流れの中から決めているのは驚異的だ。

 一方のサラーは22ゴール中、5ゴールがPK。決定機を逃さない確率ではソンに軍配が上がる。

 トッテナムは今季残り3試合で、サラーのいるリバプールも同じ3試合。プレミアリーグ屈指のアタッカーでもあり、“アジア歴代最高の選手”との呼び名も高いソン・フンミンには、この勢いでタイトル獲得の快挙をぜひとも成し遂げてもらいたい。

スポーツライター

1977年7月27日生。大阪府出身の在日コリアン3世。朝鮮新報記者時代に社会、スポーツ、平壌での取材など幅広い分野で執筆。その後、編プロなどを経てフリーに。サッカー北朝鮮代表が2010年南アフリカW杯出場を決めたあと、代表チームと関係者を日本のメディアとして初めて平壌で取材することに成功し『Number』に寄稿。11年からは女子プロゴルフトーナメントの取材も開始し、日韓の女子プロと親交を深める。現在はJリーグ、ACL、代表戦と女子ゴルフを中心に週刊誌、専門誌、スポーツ専門サイトなど多媒体に執筆中。

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