Yahoo!ニュース

まるでラムネの中にドボン!地震で湯量が減った後、建て替えたら湯量1.5倍、泡も増えたと噂の天然炭酸泉

泉よしか女子目線温泉ライター

スーパー銭湯に行くと、取りあえず人工炭酸泉は外せないと思う温泉ライターの泉よしかです。

でも世の中には人工炭酸泉よりアワアワシュワシュワな天然温泉もあるのです。その一つが大分県竹田市の七里田温泉 下ん湯。ラムネの湯とも呼ばれていますが、まさにここは、ラムネの中に全身入って、シュワーッと泡に包まれたような入浴体験ができる温泉です。

地震がきっかけで一時期は湯量が1/10に!

地震より8年前の2014年当時の七里田温泉 下ん湯
地震より8年前の2014年当時の七里田温泉 下ん湯

大地の恵みである温泉は、大きな地震がきっかけで突然湧き出したり、枯れてしまったり、泉質が変わったりすることがあります。今回ご紹介する七里田温泉 下ん湯も地震の影響を受けて、一時はファンの間でも存続が危ぶまれた温泉です。

2022年1月22日、日向灘を震源とするマグニチュード6.6の地震が中部地方から九州地方を襲いました。この時、七里田温泉のある竹田市も最大震度5強を記録し、この地震をきっかけに下ん湯の湯量は激減してしまったといいます。

しかし下ん湯は見事復活しました!

2022年11月1日から休業に入り、工事に着工、2023年7月1日にリニューアルオープン。蓋を開けてみたら、工事の振動が良い方向に働いたのか、湯量は地震で減ってしまう前の1.5倍に増えました。さらに炭酸の泡の量も体感的に増えているとか!
これは実際に足を運んで体験してみなくてはなりません。

「七里田温泉 下ん湯」は「七里田温泉 木乃葉の湯」で受付をする

七里田温泉 木乃葉のの湯の外観
七里田温泉 木乃葉のの湯の外観

「七里田温泉 下ん湯」はいきなり「下ん湯」に行っても入れません。まず徒歩2~3分ほどの「七里田温泉 木乃葉の湯」で受付をする必要があります。駐車場もこちらにあります。

「木乃葉の湯」は内湯、露天風呂、休憩所、売店などを備えた日帰り温泉で、こちらの券売機で入浴券を購入して下ん湯の鍵を受け取ります。これで「下ん湯」に入る準備は整いました。

下ん湯の鍵の付いた札
下ん湯の鍵の付いた札

いったん「木乃葉の湯」を出て、外を歩きます。

途中の坂道
途中の坂道

坂道を下って、2~3分で「下ん湯」に到着。

「下ん湯」の外観
「下ん湯」の外観

浴室は男女別。それぞれの入口があるので、鍵を使って中に入ります。
鍵で開け閉めするからといって、貸切ではありません。受付から離れているから施錠しているだけで、鍵を持った他の入浴者の方もやってきます。譲り合って入りましょう。

新しくなった「下ん湯」はバリアフリー

建物は全て建て替えたようでぴっかぴか。そして以前の浴室は脱衣所から階段を降りる必要があったのですが、リニューアルしてバリアフリー化、そのまま浴室へ移動できるようになっています。
これは療養目的で来る人にもありがたい。

シンプルな浴室のデザインは以前の秘湯然とした趣きはありませんが、窓が大きく明るい雰囲気。浴室に入ったとたんに温泉から来る強い金属のにおいを感じます。

泉質は含二酸化炭素―マグネシウム・ナトリウム・カルシウム―炭酸水素塩・硫酸塩・塩化物泉。この「含二酸化炭素」というのが二酸化炭素(炭酸ガス)を含んだ温泉であることを表しています。

湯口から出るお湯が、炭酸の泡で白濁して見えるほど!これは凄い!

シャワーで体を洗ったら、ドキドキワクワクしながらさっそく入浴。

シュワシュワシュワワ~!アワです。アワアワです。もうアワまみれ。全身にびっしりと炭酸の銀色の泡がまとわりつきます。
まるでラムネのプールに飛び込んだよう。

あっという間にシュワシュワ
あっという間にシュワシュワ

しかもこの温泉の温度がですね、加水も加温もせずに36度ちょっととまさに体温ジャスト。

ほぼ体温のような36.2度
ほぼ体温のような36.2度

ですからお湯の中に入ればまるでアワアワの無重力空間にいるみたい。体温に近い温度のお風呂に入ることを不感温浴といいますが、これが本当に心地よい。

炭酸の泡といい、手を加えなくても体温ジャストの温度といい、まさにこれは奇跡の温泉です。

「下ん湯」の足湯
「下ん湯」の足湯

なお「下ん湯」の建物の裏に回ると、足湯と飲泉所があります。お風呂上がりの待ち合わせ場所としてもいいかもしれません。

「七里田温泉 木乃葉の湯」は別源泉

「木乃葉の湯」の内湯
「木乃葉の湯」の内湯

さて、何かと「下ん湯」ばかりがクローズアップされがちですが、「木乃葉の湯」は「下ん湯」とはまた違う源泉で、こちらはマグネシウム・ナトリウム―炭酸水素塩・硫酸塩泉、濃い目に淹れた煎茶のような緑色っぽい濁り湯になっています。

浴室の床には温泉の析出物でさざなみのような凹凸ができています。

「木乃葉の湯」の露天風呂
「木乃葉の湯」の露天風呂

こちらはこちらでとても良い温泉で、露天風呂や休憩室もありゆっくりのんびりできるでしょう。せっかくなので両方入って、お湯の違いを楽しむのもおすすめです。

「木乃葉の湯」の休憩室
「木乃葉の湯」の休憩室

近隣にお住いの方には普段着の温泉ともいえる「七里田温泉」ですが、体温ジャストのシュワシュワ湯はぜひ遠くからでも入りにいってほしい温泉です。
周辺にはくじゅう連山などの大自然があり、上質な温泉が点在しています。関東や関西の都市部からも観光がてら、ぜひお出かけしてほしいと思います。

そういえばつい先日も、たまたま関西で取材の際におすすめの温泉はどこか聞かれて、つい「九州の七里田温泉ってご存じですか?」と、この温泉の良さを全力で語ってしまったばかりでした。

七里田温泉 木乃葉の湯
住所:大分県竹田市久住町有氏4050
電話:0974-77-2686
営業時間:AM9:00〜PM9:00(入浴受付PM8:00まで)
定休日:毎月第二火曜日
入浴料:
 木乃葉の湯 大人400円、子供300円
 下ん湯 大人800円、子供400円
 木乃葉の湯・下ん湯共通入浴券 大人1000円、子供500円
公式サイト:七里田温泉「木乃葉の湯・下ん湯」(外部リンク)

女子目線温泉ライター

温泉&旅行情報ライター。有名温泉から穴場の温泉まで、秘湯、旅館、ホテル、共同浴場、スーパー銭湯や絶景温泉など日本全国、思わず行ってみたくなる温泉やオトクな旅行情報を発信します。取材のご依頼は、公式サイト「子連れ温泉ガイド」メールフォームかSNSのメッセンジャーからご連絡ください。 温泉ソムリエマスター/温泉観光実践士/サウナ スパ健康アドバイザー/温泉ビューティー&ダイエットソムリエ

泉よしかの最近の記事