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43歳。婚活で「いいな」と思う人からは断られた私。一度、挫折しました~おみおじリポート(113)~

大宮冬洋フリーライター
静かな美しさを発している女性。今度こそ本気の婚活中です。(本人提供)

「好きなことを仕事に」と決めた私。悩んだりチャレンジしたりの繰り返しです

※2022年7月12日追記。緒方さんはご本人の都合によりオネット活動を休止してしています。お見合い申し込みも受け付けていません。ご了承ください。

 こんにちは。大宮です。自分の周囲にいる独身男女の婚活を前のめりで支援する「お見合いおじさん活動(略称:おみおじ)」を婚活パーソナルトレーナーのマチコ先生と一緒に推進しています。僕の読者(この記事を読んでいるあなたも該当します)で「そろそろ結婚したい」という人をオネット(大宮ネットワーク)にお迎えし、良縁を結ぶことをお手伝い中です。本連載ではその活動の一端をレポートしています。オネット会員の種類(受けor攻め)と募集についてはこちらをご覧ください。

 外側からも内側からも静かな美しさを発している人っていますよね。ギラギラの太陽光ではなく、周囲をほのかに照らしてくれる月光のような雰囲気。大人になると、そんな人に心惹かれたりします。

 着物を販売する会社のスタッフとして働いている緒方由衣さん(仮名、43歳)はまさに月光美人。大学卒業後、最初に勤めた会社を辞めてからは「好きなことを仕事に」がテーマになったそうです。仕事内容と収入の両立は大変なようですが、信念を貫いていることが内面を磨いているのだと思います。

「悩んだりチャレンジしたりの繰り返しです。長くワイン関連の仕事をしてきましたが、コロナ禍で失職してしまいました。今は二十歳のころから興味があった着物を扱う会社に転職したのは、年配の方も働いている職場だから。自分も長く働けそうかを見定めているところです」

 緒方さんは本連載を含めた僕の文章も「好き」なのだそうです。ワインや着物とはかけはなれた内容ですけど、嬉しいです…。オネットに応募した理由も、僕の文章でつながっている人ならば親近感を持てると思ったから。いろんな人が参加する婚活アプリには抵抗を感じてしまうとのこと。

こちらは「仕事着」である着物姿の緒方さん。「仕事用にはカジュアルな着物を着ています。この日はデニムの着物です」(本人提供)
こちらは「仕事着」である着物姿の緒方さん。「仕事用にはカジュアルな着物を着ています。この日はデニムの着物です」(本人提供)

置かれた状況に苦労しながらも対処してきた自分をちゃんと認めてあげたい

 30代の頃はぜひ子どもが欲しいと思ったという緒方さん。結婚相談所に登録して婚活を頑張っていた時期もあったそうです。

「いろんな男性とお会いすることができましたが、『いいな』と思った方からは断られてしまったりして疲れて挫折したんです。でも、放っておいても状況は変わらないので、気を取り直してもう一度オネットでちゃんと活動します」

 ここでマチコ先生が質問を投げかけました。そのときの婚活経験を経て、自分が変わったと思うことは?です。オネットも婚活の一つなので、多くの同性と比較されて選んでもらわねばなりません。その際、以前と同じ心構えではうまくいきにくいでしょう。

 緒方さんは住む場所や相手の年齢にはこだわらないこと、子どもが絶対に欲しいという気持ちがなくなったことを挙げつつ、自己分析を披露してくれました。

「前回の婚活を通して、私は自己肯定感が低いことに気づきました。その原因は母との関係性にあるようです。母は相手の気持ちに寄り添うことが苦手なタイプでした。その母に合わせて育ってきたために、私自身も相手から共感してもらうことをあきらめるようになってしまったのです」

 その後、発達障害やアスペルガー、愛着障害などの関連する書籍を読んできたという緒方さん。置かれた状況に苦労しながらも対処してきた自分をちゃんと認めてあげたいと思えるようになったそうです。

都内で愛猫のチンチラと暮らしています。「写真に撮ると模様のせいかちょっと険しい顔に見えるかもしれません。毎日の帰宅時には走って出迎えてくれるかわいい子です」(本人提供)
都内で愛猫のチンチラと暮らしています。「写真に撮ると模様のせいかちょっと険しい顔に見えるかもしれません。毎日の帰宅時には走って出迎えてくれるかわいい子です」(本人提供)

恋愛がうまくいかない時期もあってここまで独身で来てしまいました

「婚活をしていると、親との関係性は良くも悪くも必ずテーマになります。緒方さんが冷静に分析をして自己肯定感を高められているのは素晴らしいですね。特にアラフォー女性の場合、精神の安定が婚活において最も重要だからです」

 安心した表情で語るマチコ先生。メールを含めて緒方さんとやり取りしている僕も彼女には「精神の安定」を感じています。自分が言いたいことはちゃんと丁寧に伝えつつ、無茶は言わず、急に連絡が途絶えたりすることもありません。

 だからこそ、緒方さんが相手に求める数少ない条件は、「私のことも認めてくれること」です。

「好きな人には好かれなくて、そうでない人に好かれるような状況が何度かあり、恋愛がうまくいかない時期もあってここまで独身で来てしまいました。『昔、考えていることが分かりにくいと言われたことがある』と言ったら、『そんなことないよ、すごくよくわかるよ』と言ってくれた人もいたのですが……」

緒方さんの趣味はおいしいものを食べること。「玄米ご飯と鶏むね肉にネギ炒めと辣油のたれをかけたもの。鶏むね肉は、お湯に浸けて炊飯器の保温で2時間ほど放っておくだけでプリッと仕上がります」(本人提供)
緒方さんの趣味はおいしいものを食べること。「玄米ご飯と鶏むね肉にネギ炒めと辣油のたれをかけたもの。鶏むね肉は、お湯に浸けて炊飯器の保温で2時間ほど放っておくだけでプリッと仕上がります」(本人提供)

バックパッカーへの憧れ。コロナが終わったらいろんな国に行きたい

 緒方さんの趣味は「おいしいものを食べること」と「旅行」です。ワインを扱う会社でも働いていた頃の知識も生かし、「普段から何となくお店の情報を集めておき、無理のない範囲で訪ねて歩いている」とのこと。

「東京は様々な国の料理を味わうことができるので旅行しなくても旅行気分になれますね。でも、バックパッカーのように気軽に海外を歩くことにも憧れます。学生時代はスキーサークルの活動にお金をつぎ込んでいましたが、コロナが終わったらもっといろんな国に行きたいな、と思っています」

 時間をかければしっかりと自己表現をしてくれる緒方さんに、僕からアドバイスがあります。オネットはZoomを使ってのオンラインお見合いが基本なので、意識的に少しテンションを上げて最初から笑顔で臨むことです。接客業の経験も参考になるでしょう。相手の男性はきっと嬉しくなり、仮交際につながる確率が飛躍的に上がるはずです。

 実際に会ったら、テンションは通常レベルに下げても構いません。いつまでも接客モードだと疲れてしまいますからね。初対面での好印象は続いているはずなので、今度は相手が勝手に盛り上がるかもしれません。緒方さんは静かに微笑みつつ、言いたいことは伝えればいいのです。半年間、一緒に頑張りましょう!

フランスのワインや食文化がとても好きな緒方さん。フランスのあちこちを回る旅をしたときの写真。「美味しいものが大好きで、人生そのものを楽しんでいるフランス人たちに元気をもらいました」(本文より)
フランスのワインや食文化がとても好きな緒方さん。フランスのあちこちを回る旅をしたときの写真。「美味しいものが大好きで、人生そのものを楽しんでいるフランス人たちに元気をもらいました」(本文より)

※文中の受けオネット会員は仮名です。緒方さんの詳細プロフィールやマチコ先生と大宮による超実践的婚活アドバイス(ヤフーの有料記事です)を読みたい方(=攻めオネット会員になりたい方)はこちらをご覧ください。

フリーライター

僕は1976年生まれ。40代です。燦然と輝く「中年の星」にはなれなくても、年齢を重ねてずる賢くなっただけの「中年の屑」と化すことは避けたいな。自分も周囲も一緒にキラリと光り、人に喜んでもらえる生き方を模索するべきですよね。世間という広大な夜空を彩る「中年の星屑たち」になるためのニュースコラムを発信します。著書は『人は死ぬまで結婚できる』(講談社+α新書)など。連載「晩婚さんいらっしゃい!」により東洋経済オンラインアワード2019「ロングランヒット賞」を受賞。コラムやイベント情報が読める無料メルマガ配信ご希望の方は僕のホームページをご覧ください。(「ポスト中年の主張」から2017年3月に改題)

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