CS争いリードのヤクルトに球団ワースト記録更新の危機!?
東京ヤクルトスワローズは、ここまでチームトップの9勝を挙げているデービッド・ブキャナン(29歳)が夫人の出産に立ち会うため、9月27日に米国へ一時帰国すると発表した。ブキャナンは前日の26日にマツダスタジアムで行われた広島東洋カープ戦に先発したものの、4回5失点で今季11敗目。自身初の2ケタ勝利は、再来日後に持ち越されることとなった。
来日1年目の2017年は6勝13敗と大きく負け越したブキャナンだが、チームで唯一規定投球回に到達して、セ・リーグ9位の防御率3.66と奮闘。今年は来日2年目にして開幕投手に抜てきされ、7月末までに8勝をマーク。8月17日の阪神戦(神宮)で9勝目を挙げて自身初の2ケタ勝利に王手をかけたものの、その後は足踏みが続いている。
ヤクルトは、2010年には石川雅規を筆頭に4人の2ケタ勝利投手を輩出。その後も2ケタ勝利が途切れることはなく、セ・リーグ優勝した2015年にも石川が13勝、小川泰弘も11勝を挙げていたが、翌2016年は球団史上46年ぶり2度目の2ケタ勝利ゼロ。昨年もチーム最多勝は小川の8勝で、球団史上初めて2年連続で2ケタ勝利投手は皆無に終わっていた。
ブキャナンには再来日後に10勝目をかけてレギュラーシーズン最後のマウンドに上がる可能性があるが、現在そのブキャナンに続くのは小川、中尾輝、近藤一樹の7勝。小川は残り試合での先発は多くても2試合で、ともに救援投手の中尾と近藤は残り9試合で3勝を挙げる可能性もゼロではないが、現実的には厳しい。もし、今年も10勝到達者が出なければ、ヤクルトにとっては球団ワースト記録を更新する「3年連続2ケタ勝利投手ゼロ」ということになる。
それでもヤクルトは、今季は4年ぶりに復帰した小川淳司監督の下で、ここまで68勝64敗2分でセ・リーグ2位と健闘。同率で3位に並ぶ横浜DeNAベイスターズと読売ジャイアンツに5ゲーム差をつけるなど、残り2枠のクライマックスシリ―ズ(CS)出場権争いをリードしている。