パチンコの大当たり確率300分の1は300回に1回当たるわけではない:ギャンブル確率のイメージと実際
■パチンコ大当たり確率300分の1とは
夏休み、お盆休みは、様々なギャンブル、パチンコ屋さんも繁盛するでしょうか。
さて・・・
「このパチンコの大当たり確率は300分の1。もう、280回も回転している。もうそろそろ当たるだろう」と思ったあなた。
甘い!
確率300分の1とは、300回ぐらいやれば1回ぐらい当たるという意味ではありません。
■300回転して大当たりする確率は?
大当たりの確率が300分の1のギャンブルや抽選を300回やれば、1回は当たるだろうと思うのが当然です。でも直感や常識に頼らず、計算してみましょう。
300回で少なくとも1回は当たるという事は、300回で1回も当たらないことはなかったということです。これを計算します。つまり、まずは300回転で1回も当たらない確率を計算します。
大当たり確率300分の1ということは、当たらない確率は300分の299です。
回転1回目で当たらない確率は、300分の299。2回目も続けて当たらない確率、同じ事が続けて起こる確率は、かけ算で計算できますから、300分の299×300分の299。3回続けて当たらない確率は、300分の299×300分の299×300分の299。
300回続けて大当たりが出ないで外れ続ける確率は、300分の299を300回かけることになります(300分の299の300乗)。
計算してみると、答えは、0.367。
大当たり確率300分の1のパチンコの回転部分が、300回転しても1回も当たらない確率は、0.367。36.7パーセントです。
だから逆に、少なくとも1回は当たる確率は、100%ー36.7%ですから、63.3%。
大当たり確率300分の1の回転部分が300回まわって少なくとも1回は当たる確率は、63.3%!
あれ?意外に低くないですか?
毎回パチンコ屋に行って、一回の来店につき大当たりの回転始動口(スタートチャッカー)に300回玉が入ったとしても、10回の来店につき、4回は大当たりが出ず、悔しい思いをする訳です。
■何回まわせば当たるのか
確率300分の1のパチンコの回転部分を、300回まわしても当たる確率は64.4%。この確率では心もとない。では、何回転させれば、ほぼ大当たりするのか、計算してみましょう。
400回転では、73.7%。500回転で81.2%。600回転で86.5%。
なかなか100パーセントに近づきませんね。
500〜600回転させても、大当たりが出る確率は8割ちょい。当たらない時は、当たらないものです。
700回転でようやく90.3%。まあ500~700回転すれば、「十中八九当たる」と言えるでしょうか。
何回転しても当たる確率が100%にはならないのですが、大当たり確率が99%を超えるのは、約1400回転です。
ちなみに、確率300分の1なら、150回転で2分の1の確率で大当たりしそうですよね。でも計算してみると、少なくとも1回大当たりが出る確率が50%になるのは、約200回転です。
■確率300分の1とは・ギャンブルとは
確率300分の1とは、3万回ぐらいやれば100回ぐらい当たりますよ、300万回転ぐらいすれば、1万回ぐらい当たりますよということです。数百回転程度では、理論通りにはいきません。300回転で1回は大当たりするとは言えないわけです。
お金と時間が無限にあれば、ほぼ理論通りの結果を出す事ができるでしょう。けれども、そんな人はいません。負けが続けば、お金と時間がなくなって、さびしく帰宅するわけです。
それに、無限回続ければ、結局ギャンブラーは損をします。毎日多くのお客さんが長時間パチンコで遊んで、その結果、胴元(店側)が儲かるようになっている訳ですから。
唯一の勝つ方法は、勝ち逃げでしょうか。
それでも当たるような気がするのが人間の心理ですが、何にせよお小遣いの範囲で、楽しみたいものですね。
<宝くじを当てる方法、株で儲ける方法:コントロール感と主観的確率の心理学>
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BOOK
『面白いほどよくわかる確率―身の回りの「数字」から数学思考が身につく! 』 野口 哲典 (著)