東京では100年に1度の寒さ 10月上旬で最高気温13.3度も三連休は急速に回復
最高気温が13.3度
令和4年(2022年)10月7日は、日本の南岸を低気圧が通過し、関東地方に南下していた寒気を引き込みました(図1)。
このため、東京の最高気温は13.3度までしか上がりませんでした。
12月上旬頃の温度です。
東京の10月の最高気温の低い記録をみると、明治36年(1903年)10月30日の8.6度をはじめ、ほとんどが下旬に観測されています。
10月上旬に限って言えば、最高気温の低い記録は、昭和9年(1934年)10月7日の12.1度です。
そして、今年、10月7日の13.3度は、2位の記録となります(表)。
つまり、10月7日の最高気温は、歴代2位、88年ぶりの記録ということになります。
100年に1度の寒さだったのです。
過去の10月上旬に寒い日
東京で気象観測が始まった明治8年(1875年)から令和4年(2022年)までの148年間で、10月上旬に日最高気温が15度未満になったのは15回しかありません。
平均すると10年に1回ですが、昭和初期に集中しています。
また、明治末期も少なくありません。
10月上旬に東京で最高気温が15度未満を観測した回数
明治8年(1875年)から明治33年(1900年) 2回
明治34年(1901年)から大正をへて昭和5年(1930年) 4回
昭和6年(1931年)から昭和35年(1960年) 6回
昭和36年(1961年)から平成2年(1990年) 2回
平成3年(1991年)から令和4年(2022年) 1回
これは、東北地方で冷害が相次いだことから、昭和凶作群、明治凶作群と呼ばれている時代に重なります。
地球温暖化が懸念されている昨今では、珍しい寒さであったといえます。
10月上旬で一番低い日最高気温を観測した昭和9年(1934年)10月7日は、発達した低気圧が関東の南海上を通過しています(図2)。
今年も同じです。
さらに言えば、10月の日最高気温の低い記録である明治36年(1903年)10月30日も、関東の南海上を発達した低気圧が通過していました。
10月に東京で気温が著しく低くなるのは、南岸を低気圧が発達しながら通過する時と言ってよさそうです。
三連休の東京の気温
令和4年(2022年)10月7日(金)の東京は、最高気温が13.3度で10月上旬としては歴代2位といっても、この13.3度は、夜遅くなってから観測されたもので、日中は11度くらいしかなく、クリスマスの頃の温度でした(図3)。
三連休の初日、10月8日(土)の東京の最低気温は明け方に観測され、13度の予報です。雨はやみ、寒気も去って日差しも期待できることから、昼過ぎの最高気温は24度と、前日に比べて10度以上も暖かい日になりそうです。
三連休の最後、10月10日(月、祝)のスポーツの日の最高気温は25度で、夏日となる予報です。
さらに、三連休明けの10月11日(火)の最高気温は29度と真夏日の基準、30度の一歩手前まで上がる予想です。
三連休を挟んで冬から夏への急激な温度変化がありますので、気象情報をうまく利用し、体調管理に努めてください。
図1の出典:気象庁ホームページ
図2の出典:デジタル台風(国立情報学研究所のホームページ)
図3の出典:気象庁ホームページとウェザーマップ提供資料をもとに筆者作成。
表の出典:気象庁ホームページをもとに筆者作成。