男子アナウンサー退社が相次ぐ中…‟愛され”上坂嵩アナは新ジャンルを開拓!
メ~テレ(名古屋テレビ放送・愛知県)の上坂嵩(うえさか・たかし)アナウンサーが、『第22回ANNアナウンサー賞』の【特別賞】を受賞した。
『…アナウンサー賞』は、ANN(テレビ朝日をキー局とした民放ニュースネットワーク)加盟各局の中から、年間を通じて取材・構成・アナウンスメント技術の成長と向上が顕著であったアナウンサーを表彰するもの。【優秀賞】【新人賞】【特別賞】があり、その【特別賞】に、上坂アナが東海地方の学校や企業に足を運んでSDGsを紹介する取り組み、「上坂アナのSDGs出前教室」が輝いた。
木村拓哉の単独インタビューに成功
“東海三県(愛知県、三重県、岐阜県)”で放送されている『ドデスカ!』や『ドデスカ!+(プラス)』でおなじみの上坂アナは、入社12年目。20代の頃は、エンターテインメント担当として全国的な知名度を誇っていた。なぜなら、在京キー局でもなかなか実現しそうにないアーティストや俳優へのインタビューを、圧倒的な“熱意”で実現し続けたからだ。
なかでも、木村拓哉が『BG~身辺警護人~』(テレビ朝日系)に主演した際、系列局では難しい単独インタビューに成功。さらに木村の“鶴の一声”で、同ドラマに出演するという快挙を成し遂げた際には、木村ファンから「すごい」「よくやった」と大歓声を浴びたものだ。
また、各地で行われるさまざまなアーティストのライブや演劇に自腹で足を運び、上坂アナならではの目線で伝え続けたことも、それぞれのファンから大いに評価される所以である。
資格を取得し、こちらから視聴者のもとへ
そんな上坂アナが約2年前、「長期的な視点で人の役に立ち、社会を豊かにすることにつながる情報を届けたい」との思いから取得したのが、「SDGsビジネスマスター」なる資格。
若者の“テレビ離れ”や、視聴者のテレビの見方が変わったと言われて久しい昨今。「ならば自分から足を運んで、伝えたいと考え、地元の企業や小・中・高等学校などで授業を行う『SDGs出前教室』を始めました。もう20回以上は実施しています」とは上坂アナだ。
同教室は、パワーポイントを使った座学をはじめ、上坂アナ自身がディレクターとして企画・取材・編集した映像を盛り込みながら構成。SDGsがいかに身近で地元でどんな取り組みが行われているのかを紹介している。
カードゲームを使ったプレゼンワークショップを取り入れることで、児童や生徒たちには「学び、考え、伝える楽しさ」を。社会人には「イノベーションを生み出す思考のヒント」を伝えているという。
上坂アナからは、「テレビではなかなか感じられないアナログな“手触り感”を感じることができて、大変やりがいを感じています。子どもの頃から憧れていて、今も大好きなアナウンサーという仕事を続けながらSDGs講師としても生きがいを満たし、人として成長していきたいと思います」とのコメントが届いた。
今月11日に開催された、メ~テレの音楽番組『Bomber E』のイベント「これが私のSDGs~PUFFYにまつわるエトセトラ~」(番組では3月5日放送予定)で、進行を担当したのも上坂アナ。同番組MC・鬼龍院翔も交えて“音楽とSDGs”をテーマにトークセッションを行った。エンターテインメントとSDGsを融合できるのは、まさに上坂アナの強みである。
退社相次ぐ男性アナウンサー事情
ここ数年、女性アナウンサーのみならず、特にキー局や準キー局の男性アナウンサーの退社が相次いでいる。理由はそれぞれだが、せっかく高い競争率を勝ち抜いてアナウンサーになっても、他部署に異動させられたり、担当番組や与えられた仕事への物足りなさを感じたりすることが、退社に繋がっているように思う。
だが、先達によれば「フリーの男性アナは本当に大変」。つまり、思った以上に仕事を獲得することができないとも言われているのだ。
だから会社にしがみつく…というのではなく、上坂アナのように既存のアナウンサーの枠を超えて、局アナのまま新たなジャンルで活躍できることは理想中の理想と言えよう。もちろんそれには会社の理解も必要である。
成長見守った視聴者から「東海地方の誇り」!
緊張しすぎて、取材相手であるタレントやアーティストからツッコまれつつも愛されていた20代の頃の上坂嵩アナウンサーを憶えている視聴者からは、今回の受賞に対し、「東海地方の誇り」とX(旧ツイッター)で祝福するコメントも見られた。
長年仕事をしている筆者からも「よく頑張った」「おめでとう」と心から伝えたい。
なお、『ウルフィキャラバン・SDGs出前教室』は、メ~テレのHPで定期的に希望者を募集している。