エンタメ界も注目!芸能人が一面を飾る「学生新聞」とは?
「今どき、こんなに大規模なパーティも珍しい」「ゲストが大企業のトップばかり」「高橋文哉くんとか福士蒼汰くんとか、旬のすごい人たちが一面を飾っている、この『学生新聞』というのは何なの?」
…などなど、初参加の芸能関係者から驚きの声が上がっていたのは10月9日、都内ホテルのボールルームで行われた「学生新聞・小学生新聞発刊記念パーティ」だ。
―超人気芸能人が一面に
コロナ禍中に市民権を得たリモート形式による集まりが今でも少なくない中、500人規模の参加者がリアルに集うパーティは、芸能界でもそう頻繁に行われるものではない。
ちなみに、『学生新聞』の一面インタビューには、長澤まさみ、新垣結衣、有村架純といった主演クラスの女優から、松任谷由実、矢沢永吉など日本を代表するトップミュージシャンらも名を連ねている。
他にも【別冊号】では、中条あやみ、木梨憲武、冨永愛、斎藤工、米倉涼子、賀来賢人(順不同)らが一面を飾り、『学生新聞』という新聞名とのギャップが凄まじく、芸能関係者が驚くのも無理はない。
―大物を揃えられる秘訣
『学生新聞』の【協力】の項に名を連ねる「TOP CONNECT株式会社」代表取締役の内田雅章氏に話を聞いた。
「『学生新聞』は、“学生の学生による学生のための新聞”で、全国約700ある大学、短大、専門学校に春と秋の年2回配布しているフリーペーパー。各大学の就職課やキャリアセンターの許可をとって置かせてもらっています。創刊して5年、最新号で11号目。やはり一面に芸能人の方の顔がドーンと出ているので、非常に引きが良くて、手に取ってもらいやすくなっています」
「一面のインタビューのみならず、巻末の“憧れの人インタビュー”というコーナーには、玉木宏さん、岡田将生さん、安藤サクラさん、葵わかなさん、桜田ひよりさんら、今をときめく俳優さんたちが出てくれています」
「アポ取りから取材、執筆まで大学生が担当しているのに、このような大物が揃うのは、タレントさんサイドのリリース(情報や記事の発表)のタイミングと合っているからでしょう。番宣時期にメディア出演が多くなるのと同じです。もちろん、中には断る方もいらっしゃいますし、企業のトップや政治家が相手になると打率は50%ぐらいまで下がります。究極のビッグネームだと5%ぐらいかな?」
―時代に逆行“あえての”紙媒体
「近年、紙媒体には競合が少なくて、人物インタビューがアップされるのは圧倒的にWEBだという中、『紙媒体に出たい』という方はまだまだ大勢いらっしゃるんですよ。紙だと確実に残るからでしょうね。いわばブランディングです」
「それでも取材対象が政治家の場合は、確率はやや下がりますね。ただ、学生たちが懸命にやっていることは政党さんにも伝わっているでしょうね」
「芸能人のみならず、企業のトップへのインタビューや学校紹介、さらに“社会科授業”“見学”“SDGs”といった見出しで、文字どおりトレンド情報やヒット商品の秘密、“目からウロコの就活大作戦”まで、学生ならば必ずや手に取りたくなるような紙面づくりになっているんです」
―数々の職業を経て…
1970年、愛知県生まれの内田氏は、早稲田大学商学部を卒業後、三和銀行(現・三菱UFJ銀行)に入行。システム部、東京本部審査部などを経て2000年に退社。
その後、マンションデベロッパー、仕出し弁当販売、銀座のクラブ経営などを経験し、「日本ベンチャー協議会」事務局長に就任。そこで培った社長ネットワークを活かし、2004年に「株式会社 就職課」、2014年に「TOP CONNECT株式会社」を設立。『学生新聞』事業の他、トップダウン営業支援事業、ゴルフ大会事業をメインに、年間約200回のイベントを開催し、約5000人を集客している。
―学生とトップの橋渡し
「私は、若い人を応援するのが好きな気質でして、社長を次々紹介していく仕事をしていますから、皆さんが出会うためには何をすればいいのかを常に考えています。編集は、『やりたい』と手を挙げた学生さんに執筆までやってもらって、レイアウトからは大人たちが担当しています」
「何と言っても、学生さんたちは著名人や企業のトップに直接会えることに喜んでいますね。将来のことを決めかねている学生さんはとても多くて、自分が何に興味をもっているかも把握しきれていないので、とにかくいろんな業界・業種の社長さんの話を聞きたがっています。
「半年に一度の発刊の度にパーティを行っていて、実際、トップ企業の社長さんたちが壇上に上がって、参加した学生さんたちはその場で自己紹介をしたり、名刺交換ができたりする。人事部の方ではなくて、いきなり社長と繋がるのは魅力的ですよね」
「そして各社の社長さんたちにとっては、モチベーションの高い大学生と接触できるので、インターンや正社員としてスカウティングができるメリットがあります。パーティがきっかけで話がまとまるケースは数え切れませんよ」
―学生の主体性をサポートする役割
『学生新聞』は、広告料と協賛金で成り立っており、校長先生向けの『中高生新聞』と『小学生新聞』というフリーペーパーも2021年から配布している。こちらのスポンサーは、教材など学校に対しての働きかけをしたい企業だ。
「できる限り学生さんだけで回すようにしているのは、手作り感を大切にしていることに加えて、私が彼らに経験やチャンスをプレゼントすることを使命としているからです。パーティの司会などもプロから見たら拙いでしょうけれど、できるだけ学生さんたちだけで、やってもらっています」
同時に、『学生新聞 映画大賞』もスタート。新聞発刊と同じタイミングなので半年に1回、大学生が投票し、作品、俳優、女優、脚本家、監督、主題歌などを表彰している。
「やはり、主人公が若い作品が選出されますね。映画配給会社はもちろんのこと、『日本アカデミー賞』の会長さんの許可もいただいています。さすがにこの許可取りは私がやりました」
「その他にも多くのイベントを開催していますが、大がかりに取り組んでいるのは、プロテストの合格を目指す女性プロゴルファーのトーナメントです。コロナ禍で試合が無くなってしまった時、参加者20名、スポンサー4社からスタートして大きく成長しつつあります」
―人との“出会い”を有料化
「30年程前、お水も空気もタダだったのが、今はみんな有料になっているように、人と人との出会いも昔は無料でしたが、私は有料で交流のきっかけを作っています。私の仕事はチャンスメイクですね」
ゼロからイチを生み出すビジネスモデルを展開している、内田氏が代表取締役を務める『TOP CONNECT』。実は、正社員は1人もいない。
「だから身動きが取りやすいし、人と人とを繋げる時も苦になりません」
エンタメ界のみならず、若者を取り込みたいテレビ局からも熱視線を集める『学生新聞』と内田氏の取り組み、今後も注目したい。