中国ロケットの墜落がまたも発生「天龍3号」燃焼試験中に実験台の固定が外れ、予期せぬ発射・地面に墜落
6月30日、中国のスペースパイオニア社は、新型ロケット「天龍3号」の燃焼試験を実施しました。燃焼試験では通常、ロケットのエンジンが地上の実験台に固定され、推進力などのデータを取得します。
しかし、試験開始後に実験台の固定が外れ、ロケットは空中へ舞い上がってしまいます。その後、燃料が尽きたと思われたタイミングでロケットは落下を開始。最終的に地面と衝突し、大きな爆発を引き起こしました。周辺にはマンションが立ち並んでいましたが、政府の発表では死傷者は出なかったとの事です。
天龍3号が実用化すれば、日本のH3ロケットや、スペースX社のファルコン9ロケットにも匹敵する性能を誇るといわれており、同社は今後数カ月以内に天龍3号を軌道上へ打ち上げる試験を実施するとのことです。
■6月22日にも中国のロケットが居住地域付近に落下
6月22日、中国はX線観測衛星を長征2Cロケットで打ち上げました。しかし、その後ロケットの第一段は地面に衝突してしまいます。落下中には黄色い煙が巻き散っており、燃料のヒドラジンであると考えられています。この燃料は毒性が非常に強く、人体に入り込むと腐食を引き起こします。しかし、落下地点は居住地域の周辺であり、地元政府は打ち上げ前に周辺住民を適切に避難させなかったため、住民が逃げ惑う姿も映し出されていました。
中国のロケット墜落事故は今回が初めてではなく、今までに繰り返し発生しています。1996年のロケット墜落事故では、村が壊滅するほどの被害が出ましたが、メディアは報じなかったため自国ではほとんど知られていません。
中国のロケット 打ち上げ後に居住地域付近に落下、燃料のヒドラジンは人体に有毒な物質
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