【速報】H3ロケット打ち上げ成功 実用化に向けて「だいち4号」を宇宙へ、今年度はさらに2機打ち上げ
本日7月1日、H3ロケット3号機が遂に打ち上げられました!この動画では、H3の打ち上げの詳細をはじめ、今年度に予定されている8機のロケット打ち上げ予定まで詳しく解説していきます。
スターシップ 地球帰還に成功 4回目の打ち上げで大気圏再突入と着水を成し遂げる
■H3ロケット、実用化に向けてリフトオフ!
種子島宇宙センターから打ち上げられたH3は、使用済みとなった固体ブースターや第一段エンジンを切り離し、機体を軽くしながら上昇していきます。打ち上げから約5分後には、初号機で失敗したロケットの第二段エンジンが点火され、約16分後には搭載している先進レーダー衛星「だいち4号」を宇宙空間で分離します。ここで、だいち4号を所定の軌道に投入することができれば打ち上げは成功となります。その後、残されたロケットの第二段は1時間半ほど地球の周りを周回します。そして、第二段エンジンを再び着火することで、地球の大気圏へ再突入し、最終的にロケットの第二段は燃え尽きて終了となります。
今回の打ち上げはH3ロケットにとって非常に重要な意味を持っています。なぜならH3は本日の3号機から、初めての実用段階に入るのです。
2号機が成功したことで、今回の3号機では満を持してだいち4号の打ち上げとなります。地球観測衛星を無事に軌道投入できれば、H3は実用ロケットとしての運用が可能であることを示せるのです。H3は将来的に、年間6機の打ち上げを目指しているとの事です。早くH3がバンバン打ちあがって大活躍する日を見たいですね。
■今年度はH3ロケット4号機、5号機の打ち上げも予定
H3 4号機ではXバンド防衛通信衛星が打ち上げられます。主に防衛省が使用する衛星で、自衛隊の部隊間通信に使用される模様です。今までにも、「きらめき1号・2号」が打ち上げられており、日本の英知を結集した「天空に美しく光り輝く」衛星という意味が込められているとのことです。名前は「きらめき3号」になるのかもしれませんね。
H3 5号機では準天頂衛星「みちびき」の打ち上げを行う計画です。準天頂衛星システムとは、複数機の人工衛星により地球上の位置を計算するシステムのことです。アメリカのGPSがよく知られており、 スマートフォンやカーナビでも活用され、私たちの生活になくてはならないものになっています。「みちびき」を利用することで、山間部などの見通しの悪い場所でも測位ができるようになるだけでなく、測位精度を数cmまで高めることができます。「みちびき」は7機体制を目標としており、2025年度には6号機、7号機をH3で打ち上げることが予定されているようです。
ちなみに、2025年度には新型宇宙ステーション補給機「HTV-X」や月極域探査計画「LUPEX」などのJAXAの目玉プロジェクトの打ち上げも控えています。そして2026年度には、火星衛星フォボスからのサンプルリターンを目的とした「MMX」の打ち上げも行われます。当初は2024年に打ち上げを目指していましたが、H3の開発の遅れと火星への軌道が2年周期であるため、打ち上げも2026年へと変更となりました。
たくさんの打ち上げが予定されているH3、これからの宇宙開発も楽しみですね。
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