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隠れ首位打者がいよいよランクインへ。打率トップは間違いないが…

宇根夏樹ベースボール・ライター
スティーブン・クワン(クリーブランド・ガーディアンズ)Jun 21, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 現在、ア・リーグの打率トップ3には、.321のアーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)、.319のルイス・レンヒーフォ(ロサンゼルス・エンジェルス)、.311のボビー・ウィットJr.(カンザスシティ・ロイヤルズ)が並んでいる。

 7月3日(日本時間7月4日)が終わった時点の打率トップは、この3人のいずれでもなく、スティーブン・クワン(クリーブランド・ガーディアンズ)の可能性がある。

 ガーディアンズは、7月3日にシーズン84試合目を行う。84試合×3.1打席=260.4だ。クワンは、この試合で5打席に立つと、これまでの256打席と合わせ、261打席となる。

 ここまで、クワンは、打率.362(232打数84安打)を記録している。7月3日の試合で5打数0安打の場合、打率は.354(237打数84安打)まで下がる。一方、ジャッジらは、7月3日に5打数5安打でも、打率は.333を超えない。

 一般的に、シーズン全体の規定打席は502だ。162試合×3.1打席=502.2だが、503打席ではなく502打席なので、このパターンを当てはめると、クワンは、7月3日に4打席、トータルでは260打席でも、ランクインする気もする。ただ、シーズン途中のことなので、260.4に対し、260打席では足りず、まだランキングの対象外ということもあり得る。

 7月3日の試合も、クワンは、1番打者として出場する。5打席に立っても、おかしくない。

 もっとも、クワンが首位打者を獲得するかどうかは、まだわからない。

 6月16日の時点で、クワンの打率は.398(176打数70安打)だった。そこから、約半月の間に、36ポイントも下がっている(.001=1ポイントとして表記)。直近の14試合は、打率.250(56打数14安打)。さらに、直近の7試合は、打率.172(29打数5安打)に過ぎない。

 ちなみに、クワンの出塁率は.420だ。ヤンキースの2人、ジャッジとホアン・ソトの出塁率は、それよりも高い。それぞれ、.440と.435を記録している。

 なお、現在のナ・リーグ打率トップ3は、.320の大谷翔平(ロサンゼルス・ドジャース)にサンディエゴ・パドレスの2人、.312のルイス・アライズと.311のジャリクソン・プロファーだ。

 こちらは、259打席のクリスチャン・イェリッチ(ミルウォーキー・ブルワーズ)が、彼らの打率を上回っている。打率.329(228打数75安打)だ。ただ、イェリッチがランクインするのは、もう少し先になる。ブルワーズは、7月3日がシーズン87試合目。87試合×3.1打席=269.7だ。

【追記:7/4】

 7月3日、クワンは、4打席に立ち、ア・リーグ打率ランキングのトップに登場した。この日は、4打数1安打。シーズン打率は.360となっている。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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