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くまモンのTシャツで復興を、熊本の衣料品ベンチャーが「着る」支援

藤代裕之ジャーナリスト
小山薫堂氏がデザインしたファクトリエのチャリティTシャツ

熊本県熊本市に本社・本店を置く衣料品のインターネット通販「Factelier(ファクトリエ)」ライフスタイルアクセント 山田敏夫社長が25日、チャリティTシャツの販売を開始した。デザインは小山薫堂氏で、胸の部分に同氏が手がけたくまモンがあしらわれている。Tシャツを着ることで被災地と共にあってほしいという想いが込められている。工場の生産コストや諸経費などを差し引いた売り上げが「日本赤十字社・くまモン募金」に寄付される。

ファクトリエは、日本各地にある高い技術を持つ縫製などの工場に注目、企画した商品を「工場直販」するビジネスモデルで注目されているベンチャー企業。生産が海外にシフトする中で「Made in Japan」にこだわり、品質の高い商品を直販することで割安で販売している。

山田社長の実家は、熊本市中心部にある創業100年の老舗婦人服店「マルタ号」で、ファクトリエの本店も置かれている。山田社長は、高校まで熊本で育ち、大学在学中にフランスに留学、「ITメディア」や「イーキャリア」の営業職として勤務した後に、2012年に同社を立ち上げた。

本店は地震で被害を受け、現在は閉店中(5月5日に再開予定)。小山氏に相談し、モノづくりを通じて熊本・大分を支援しようとプロジェクトの実施が決まった。

14色用意されている。
14色用意されている。

Tシャツは、14色、S、M、L、LLの4サイズ展開、価格は3,240 (税込)円。熊本県内の工場での縫製を検討したが、被災していたため国内の工場で生産される。日本人の体型に合わせたシルエットで、各サイズ専用の丸編み機で編み上げることで動きやすく、首周りは伸び切らない様に衿生地を3枚に折り縫い上げるなど随所に工夫がされている。7月より順次発送が行われる。

山田社長は「地震に直面した時は、どうしてよいかわからず呆然となりました。救援物資や電気と水道が復旧し、少しずつ、生きる力を取り戻しているところです。Tシャツは外でも、部屋着でも、ずっと手元にあります。応援してくれる皆さんが、常に熊本のことを思ってくれてることは、被災者となってしまった私たちにとって、生きる勇気になります」とメッセージをくれた。

ジャーナリスト

徳島新聞社で記者として、司法・警察、地方自治などを取材。NTTレゾナントで新サービス立ち上げや研究開発支援担当を経て、法政大学社会学部メディア社会学科。同大学院社会学研究科長。日本ジャーナリスト教育センター(JCEJ)代表運営委員。ソーシャルメディアによって変化する、メディアやジャーナリズムを取材、研究しています。著書に『フェイクニュースの生態系』『ネットメディア覇権戦争 偽ニュースはなぜ生まれたか』など。

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