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現在トップの選手が打点王を獲得すれば、史上9人目の3年連続。大谷翔平は3打点差の4位

宇根夏樹ベースボール・ライター
ホゼ・アブレイユ(シカゴ・ホワイトソックス)Aug 15, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 8月20日、ホゼ・アブレイユ(シカゴ・ホワイトソックス)は、2本の内野ゴロで計2打点を挙げ、トップに並んでいたラフェル・デバース(ボストン・レッドソックス)に2打点の差をつけた。

 現時点の1位~4位は、91打点のアブレイユ、89打点のデバースとブラディミール・ゲレーロJr.(トロント・ブルージェイズ)、88打点の大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)だ。4人ともア・リーグの選手。ナ・リーグでは、86打点のヘスス・アギラー(マイアミ・マーリンズ)が最も多い。ア・リーグ5位のオースティン・メドウズ(タンパベイ・レイズ)は、85打点だ。

 前半戦のトップ4も、現時点と同じ顔ぶれだった。ただ、順位は違い、1位が73打点のゲレーロJr.、2位が72打点のデバース、3位が70打点の大谷、4位が66打点のアブレイユ。3人が70打点以上を挙げ、3打点差にひしめき合い、アブレイユはわずかながら離されていた。

 けれども、実績からすると、ここへきて単独トップに立ったのは、真打ち登場といった感もする。アブレイユがリーグ1位でシーズンを終えれば、過去2年に続いて3度目の打点王となる。2019年は123打点、2020年は60打点。自己最多は2019年だが、2020年は60試合の短縮シーズンだった。1試合平均の打点は、前年を上回る。また、2014年のデビューから2019年までの6シーズン中、100打点に届かなかったのは、78打点の2018年しかない。

 ナ・リーグとア・リーグの球史において、3年続けて打点王を獲得した選手は延べ8人を数える。4年以上の連続は皆無。このストリークが2度のキャップ・アンソンは、19世紀にプレーした。現時点では最後のセシル・フィルダーは、1989年の阪神タイガースを経て、メジャーリーグへ戻った1990年から3年連続。最初の2年は、本塁打王も獲得した。

筆者作成
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 打点トップ4のホームランは、アブレイユが25本、デバースが29本、ゲレーロJr.が36本、大谷は40本だが、ソロ以外のホームランは、それぞれ、12本、14本、18本、16本。その差は縮まる。また、打席に立った時の走者は、アブレイユが344人、デバースが368人、ゲレーロJr.が299人、大谷は271人だ。今後も同様であれば――ア・リーグで打点王のチャンスがあるのはこの4人だけではないが――アブレイユとデバースが少し有利な気がする。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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