パドレス・加藤豪将が決勝の2点適時打。今春5打点は「367億円男」を抜き、チームトップ!
招待選手としてサンディエゴ・パドレスのメジャー・キャンプに参加している加藤豪将が、3月6日(日本時間7日)に行われたロサンゼルス・ドジャースとのオープン戦で決勝の2点適時打を放ち、メジャー昇格へ向けて猛アピールに成功した。
4回裏から金河成との交代でショートに入った加藤に打席が回ってきたのは、両チームが無得点だった6回表。2アウトながら、ランナー2、3塁のチャンスだった。
マウンドにはメジャーで通算193登板を誇る31歳の左腕、スコット・アレキサンダー。ベテランのアレキサンダーに2ストライク、0ボールと追い込まれた加藤だったが、高めに投じられた3球目をうまく捉えて、レフトへ流し打ち。ランナー2人が生還する先制の2点適時打を放った。
今オープン戦の特別ルールで、試合は通常の9回ではなく7回で終わり、パドレスが2対1で地区ライバルのドジャースに勝利した。
加藤は3月3日(日本時間4日)のミルウォーキー・ブリュワーズ戦でも、3点本塁打を放っており、今春の成績は6試合に出場(先発1試合)して、8打数3安打5打点、1本塁打で打率.375、OPSは1.125と絶好調。
加藤はチャンスに強く、先月に14年総額3億4000万ドル(約367億円)で契約延長を結んだばかりのフェルナンド・タティース・ジュニア(4打点)を抜いてチームトップに立った。カクタス・リーグ(アリゾナ州で行われているオープン戦)全体でも、加藤の5打点は4位タイにランクインしている。
26歳の加藤はサンディエゴの高校を卒業した2013年6月のドラフトで、ニューヨーク・ヤンキースから2巡目(全体66番目)指名を受けて入団。ヤンキースではメジャーの一歩手前の3Aまで上ったが、マイナー生活6年目を終えた2019年シーズン終了後に、「マイナーリーグ・フリーエージェント」として、マイアミ・マーリンズに移籍。
昨季はマイナーリーグが全休となったためにプレーのチャンスを得られずに、今オフに生まれ育ったサンディエゴに本拠地を置くパドレスとマイナー契約を結び、招待選手としてメジャーリーグのキャンプに参加している。
本職は二塁手だが、メジャーへ昇格するためにユーティリティー選手として生きる覚悟を決め、マイナーリーグでは一塁、三塁、ショート、レフトを守った経験を持つ。
今オープン戦で唯一、先発出場した3月4日(日本時間5日)のテキサス・レンジャース戦でも一塁を守った。
パドレスの内野陣は一塁のエリック・ホズマー、三塁のマニー・マチャド、ショートのタティースの3選手は不動の存在。マチャドの今季年俸は3400万ドル(約36億7200万円)で、ホズマーも2100万ドル(約22億2600万円)。
二塁は昨季ブレイクしたジェイク・クロネンワースと、韓国球界から4年総額2800万ドル(約30億円)で移籍してきた金の争いになる。
控えには今オフに3年総額2100万ドル(約23億円)の契約を結んだジュリクソン・プロファーがおり、選手の層は非常に厚い。
メジャー初昇格への道はとても険しいが、加藤がこのまま好調を維持できれば、今季の大注目球団パドレスでサプライズを起こすかもしれない。