関西NO.1チーム東近江バイオレッツが初戦快勝~第17回 全日本女子硬式クラブ野球選手権大会~
第17回 全日本女子硬式クラブ野球選手権大会が開幕
社会人女子硬式野球の最高峰の大会「全日本女子硬式クラブ野球選手権大会」が、26日に千葉県成田市と佐倉市を舞台に開幕しました。
今年で17回目を数える今大会は、北は北海道から南は沖縄まで34チームが参加、トーナメント方式で日本一を競います。ベスト8以上の成績を残したチームは、10月に行われる全日本女子硬式野球選手権大会の出場資格が得られます。試合は、成田市営大谷津運動公園野球場、ナスパ・スタジアム(成田市)、長嶋茂雄記念岩名球場(佐倉市)の三球場で行われます。
関西からは9チームが参加、今季関西女子硬式野球選手権ラッキートーナメントで優勝した東近江バイオレッツの戦いを追います。初戦は、大谷津球場で侍(埼玉)と対戦、11対1(4回コールド)と大勝しました。
東近江 431 3 11
侍 010 0 1
(4回コールド)
■バッテリー
東近江 坂原愛、長谷川-木瀬
侍 亀谷、大沼-中村
毎回得点と猛攻を見せ4回で決着
1時間15分の中断も影響なし
東近江が持ち前の打力を余すところなく発揮し勝利しました。1回表、一番・横山さんが、左前単打から相手失策の間に生還、1点を先制すると、この回途中で荒天により1時間15分の中断を挟むも4得点と、初回から大きくリードします。相手投手の四死球に加え12安打の猛攻で、毎回得点の11得点を見せました。
先発した坂原愛里さんは最後まで制球に苦しみましたが、走者を許すも味方の好守にも助けられ1失点におさえます。4回途中に、高卒1年目に加え、今季公式戦初出場となる長谷川さんが登板、連続死球で走者を溜めますが、最後の打者を併殺にとり、この回で勝利をおさめました。
好調の打撃でリズムを掴む
一番打者横山選手が、初回にヒットから相手守備の乱れを突いた生還が、初戦という独特の緊張感を見事に取り払いました。さすがは21年WBSCマドンナジャパンの選手です(大会は延期され行われていません)。終わってみれば、4打席のうち2打席目の犠打意外は、全て安打。初打席は右前、3,4打席は中前と、まさに快音を響かせました。
好調の要因について「間の取り方が得意だから」と答えてくれました。どの球種が来ても打つ自信があるので山は張らず、コースの違いに対してだけ間の取り方を変えるのだそうです。そんな強打者のイメージである横山さんですが、「とにかく出塁することを意識しています。後ろが私を返してくれるので」と話すのですから、東近江打線の強さは想像に難くありませんし、一打席目にいきなり一人で先制点を挙げたのですから、チームが乗らないわけがありません。
2回戦の相手は、昨年の覇者、エイジェック。昨年の全日本で東近江が破れている相手でもあります。「どんな投手相手でも打ち負けず、今日のような自分たちの野球をしてリベンジを果たしたいです」。
中村茜監督の談話
「初戦突破できてほっとしている。中断がありながらも、選手たち個々にやるべきことをしながら集中を切らさないでくれた。とくに、各打者がしっかり振ってくれたのでつながった。普段通りの自分たちの野球ができたと思う。(先発、坂原さんについて)大会前に予定していたオープン戦が、雨で流れるなど、実戦での調整不足は否めないが、試合の中で修正のできる能力の高い選手なので、攻撃中にアドバイスしながら、見守ろうという感じでマウンドに送り出していた。(長谷川さんに交代したのは)公式戦初なので、まずは楽な場面で登板し慣れてもらおうと。死球を出しはしたが、攻めた上でのことなので問題なし。終始リラックスして投げてくれていたのは頼もしい。
日本一を狙いに来たが、まずは全日本選手権の切符を手にすること。その為に一戦一戦大事に戦いたい。(次戦の相手)エイジェックは、そう簡単に打たせてくれないと思うが、持てる力を出しきれるようにしたい」。
女子プロ出身の中村監督は、今季から同チームの監督に就任しました。監督曰く「キッチリとした野球」というこれまで培ってきたチームカラーを生かしながら「選手たちが気持ちを楽に楽しんで思い切りプレーできるようなムードを心がけている」と話します。「何が正解かわからない」中で懸命に指揮を執る中村監督が、今大会どこまでチームを引き上げていくのかにも注目したいところです。
(写真は全て筆者撮影)