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適切な判断が出来ない、まだらが特徴【血管性認知症の特徴3選】介護福祉士がイラストでわかりやすく解説

みなさん、こんにちは!介護のお悩みサポーター『夢 はるか』です。わたしは介護現場で15年以上働く介護福祉士です。介護の仕事と同時に、子どもの頃から好きだった漫画を描くことで、認知症や介護のことを広く知っていただければと考え、執筆活動を続けています。

今日は、以前に紹介した4大認知症から、『まだら』が特徴的な『血管性認知症』について説明します。

リンク:【4大認知症とは】介護福祉士がイラストでわかりやすく紹介

血管性認知症は、脳梗塞や脳出血などが原因で、脳の一部が損傷することによって起こる認知症です。

順序立てて物事を解決することや、適切な判断をすることなど、遂行機能の低下が早期に現れる傾向があります。

もの忘れや、時間や場所、人などの認識が難しくなるなどの、他の認知症と似た症状もありますが、それ以外の特徴を、イラストを交えて順に紹介します。

↓この記事の解説動画をご覧いただけます。

【特徴1】『まだら認知症』が多い

まだら認知症とは、できることとできないことの差が大きく現れる認知症のことを言います。

血管性認知症は、脳の一部分の損傷によって起こる認知症ですが、損傷を受けていない脳の部分の働きには支障がないため、できることと、できないことの差が、顕著に現れます。

また、一日の中でも体調の良し悪しによって、できることとできないことが変化するなど、症状の移り変わりが見られます。

【特徴2】身体面にも症状が現れやすい

認知機能の低下とともに、脳の損傷による身体的な症状が現れやすいのが特徴です。

手足の麻痺、言語障害、感覚障害、排尿障害(頻尿、尿失禁等)など早期から見られることが、しばしばあります。

【特徴3】階段状に進行しやすい

アルツハイマー型認知症は、発症後少しずつ、ゆるい下り坂を降りていくように症状が進みますが、血管性認知症の場合は階段を下っていくように、維持と悪化を繰り返しながら症状が進んでいくのが特徴です。

脳卒中の治療やリハビリによって、しばらく症状が維持・改善されても、新たな脳卒中によって、突然状態が落ちてしまうこともあるので注意が必要です。

まとめ

以上、血管性認知症の代表的な特徴を紹介しました。

比較的判断力がしっかりしている時と、低下している状態が頻繁に入れ替わるのが『まだら認知症』です。

そのため、自分の能力の低下を自覚していることも多く、プライドが傷つきやすいと言われています。

脳の損傷の程度によっては、多くの才能や、まだまだできることが残されていることもあります。

その人の能力が発揮できるような環境の調整や、周囲の温かい対応によって、血管性認知症の人の残存能力が、十分に活かされるようにしたいものですね。

介護福祉士として通所介護(老人デイサービスセンター)や訪問介護(ホームヘルパー)の現場で働いてきました。研究会での発表や、学術誌へのケースレポートの投稿なども積極的に行なっています。また、子どもの頃から好きだった漫画やイラストを描くことで、認知症の知識や介護のコツをわかりやすく伝えることを心がけています。

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