妄想性パーソナリティ障害とは?
こんにちは。
精神医学と性格心理学に詳しい
心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。
今日は、妄想性パーソナリティ障害についてお話したいと思います。
妄想性パーソナリティ障害の方は、他者の行動を悪意のあるものと解釈することが多いです。っていうか、それが特徴です。他者に対する根拠のない不信および疑念など、さまざまなパターンを表出させます。
まあ楽しい妄想なら、それはそれで構わないのですが、そうはならない、悪い妄想しかしない、ってところが、このパーソナリティ障害の怖いところです。
たとえば、私は、ワードプレスを書いたり、メルマガを発行したり、ユーチューブ動画をアップしたり、こうしてヤフークリエイター記事を書いているのですが、ときおり、見ず知らずの方から、「これは俺のことか?」「俺に対するあてつけはやめろ!」などのクレームを貰います。正直、私は、「あなたのことじゃないですよ。大体、私は、あなたのことなど知らないから、あなたのことなど話したり書いたりする筈ないじゃないですか。自意識過剰もいい加減にしてくださいよ」と言いたくなります。言いませんけど…。
妄想性パーソナリティ障害の人は、他者を信用する力が弱く、何の根拠もない、もしくは、不十分な根拠しかない場合でも、「他者が自分に危害を加えようとしている、自分を欺こうとしている」と考えることが多いです。
一般人口の0.4~5.1%、えらい範囲が広いのですが、そのくらいの人が、妄想性パーソナリティ障害を有していると推定されています。もちろん、症状の激しい人弱い人、いろいろいます。
また、妄想性パーソナリティ障害の人でも、親しい人にだけ悪い妄想を抱き、さほど親しくない人に対しては、悪い妄想を抱かない、という特徴を持っている方もいます。
症状は成人期早期までに始まっていて、それ以降に始まった場合は、妄想性パーソナリティ障害とは呼びません。
妄想性パーソナリティ障害の人は、同時に他の病気を持っていることが多いです。例えば、統合失調症とか社交不安障害とか、心的外傷後ストレス障害とか、アルコール依存症とかが、それにあたります。
妄想性パーソナリティ障害の方は、常に、理由もなく自分が攻撃されるかもしれないと怯えていることが多いです。証拠がほとんどないにも関わらず、自分の疑念および考えを主張し続けたりします。
妄想性パーソナリティ障害の方は、なんらかの形で「侮辱された」または「傷つけられた」と考える場合に、相手に対し、反撃という形で怒ったりすることが多いです。怒られた側としては、大変に驚くと共に困惑するかと思うのですが、妄想性パーソナリティ障害の方は、あくまでも自分は被害者であり、加害者ではないと主張し、相手を許さないことが多いです。
このため、妄想性パーソナリティ障害の方は、穏やかな人間関係を構築・維持することが、非常に困難です。すぐに、「他者から傷つけられた」と言っては、他者を否定し、攻撃するからです。
妄想性パーソナリティ障害の方は、
下記に示す7項目のうち、4つ以上の特徴を有しています。
1.他者に対して、持続的な不信および猜疑心を持っている。
2.他者が自分を利用している、傷つけている、または裏切っていると根拠なく思っている。
3.友人および同僚を信頼していない。根拠なく疑っている。
4.悪意のない言葉または出来事に対し、誹謗、敵意、または脅迫的意味が隠されていると誤解する。
5.侮辱、中傷、または軽蔑に対して、激しい恨みを抱く。
6.自分の性格または評判が非難されたと考えやすく、性急に怒りをもって反応したり、反撃したりする。
7.自分の配偶者またはパートナーが不貞を働いているという根拠のない疑念を繰り返し抱く。
続いて、治療ですが、
妄想性パーソナリティ障害の治療は、特別なものではありません。他のパーソナリティ障害と同じです。症状が激しい時は、抗精神病薬や抗うつ薬や抗不安薬を使います。症状が落ち着いている場合は、認知行動療法を使って、認知の歪みを矯正していきます。正直、治療は簡単ではありません。なかなか良くならないというのが実情です。
自分が、もしくは自分の周囲の人が、妄想性パーソナリティ障害である可能性が高い場合は、1度専門家の許を訪れ、相談してみると良いでしょう。
今日も最後までお読みくださって、どうもありがとうございます。
心から感謝申し上げます。
この記事を書いた人は、心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。