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「薬を飲んでいるのに、心の病が治らない」とおっしゃる人へ、心理カウンセラーから提言があります。

竹内成彦心理カウンセラー(公認心理師)

こんにちは。
精神医学と性格心理学に詳しい
心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。


私のカウンセリングルームには、「病院へ通って、医師に言われた通り、薬を真面目に飲んでいるのに、ちっとも心の病が治らない」とおっしゃるクライアントがよく訪ねてきます。← この現象は、私が「精神医学に詳しい心理カウンセラーだ」と謳っているから生じているのだと思います。

※ 世の中には、精神医学の知識がほとんどないカウンセラーが大勢いらっしゃいます。彼ら彼女らは、「私は、メンタルクリニックへ通っているクライアントはお断りしていますから…」と言うのですが、そんなことを幾ら言ったところで、実際には、病院へつなげたほうがいいクライアントは来るわけで、よって、私的には、「少しぐらい勉強したらどうですか?」と言いたいです。

私が精神医学に詳しい理由は、開業当時、お客さんが来なくって、あまりにも暇だったので、毎日のように図書館に行って、精神医学の勉強を「これでもか!」って言うくらいしたからです。
カウンセリングや臨床心理学の勉強は、開業前にしっかりしていたので、開業した頃は、カウンセリング関連の本に関しては、読んでない本がほとんどない状態になっていました。

もしもあなたが薬を飲み続けているのにも関わらず、心の病が良くならないとしたら、原因が3つ考えられます。
1.不適切な薬を飲んでいる。
2.薬の量が少ない。
3.薬があまり効かない心の病である。

上記、1の患者さんは意外に多いです。これは、精神科医が患者さんの話をゆっくり聴く時間がないことにより、生じているものだと思われます。
2も多いです。患者さんが薬を飲むことに抵抗感を強く持っているので、医師が必要十分な量の薬を出せなかったり、患者さんが勝手に薬を飲む量を減らしていることにより、生じているものだと思われます。
3が1番多いです。心の病には、薬が比較的よく効く病と、薬があまり効かない病があります。あなたが、薬があまり効かない病に罹っているのであれば、ただ漫然と薬を飲んでいても、あなたが治ることはありません。

「3の人は、どうすればいいのか?」と言いますと、「環境を変えるか、認知を変え行動を変えればいい」ということになります。
「環境を変える」とは、「会社を休むとか辞める」とか、「仕事内容を変える」とか、「嫌いな配偶者と別れる」とか、「早寝早起きして、十分な睡眠時間を確保する生活スタイルに変える」とか、「運動習慣を持つ」とか、そういう意味です。
「認知を変え行動を変える」とは、「性格改善に取り組む」とか、「考え方や事象の捉え方を変え、行動を変える」とか、そういう意味です。

3については、ひとりでするのは困難です。「どうしたらいいものやら」迷路にハマることが多いです。
だから世の中には、心理カウンセラーという職業の人がいるのです。
よって、あなたも、困りごとがあったら、どうぞ精神医学に詳しいカウンセラーをお訪ねください。

あと、世の中には、「薬が効かない」と訴える患者さんに対し、どんどん薬の量を増やすことしか考えない医師がいます。そういう医師とは、早めに別れたほうがいいです。私は、あなたが誠実で腕のいい精神科医に出会うことを祈っています。

薬の量を増やすことしか考えない医師は、患者さんが「甘い」と言ったら、砂糖を減らすことは考えず、塩を足そうとします。患者さんが「しょっぱい」と言ったら、塩を減らすことは考えず、砂糖を足そうとします。すると、患者さんが何か言う度に、薬の量がどんどん増えていきます。
私は、1日に30~40錠、50~60錠の薬を、毎日飲み続けているにも関わらず、症状がほとんど好転していかない患者さんを、幾人も見たことがあります。薬を毎日50錠も飲んでいたら、それだけでお腹がいっぱいになりそうですね。


というわけで、今日も最後までお読みくださって、どうもありがとうございます。
心から感謝申し上げます。


      この記事を書いた人は、心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。

心理カウンセラー(公認心理師)

1960年、愛知県名古屋市で生まれ育つ。1997年06月、地元愛知でプロのカウンセラーとして独立開業を果たす。カウンセリングルーム「心の相談室with」名古屋 の室長。臨床歴25年、臨床数15,000件を超える。講演・研修回数は800回、聴講者は10万人を超える。【上手に「自分の気持ち」を出す方法】など、電子書籍を含め、20数冊の本を出版している。カウンセリング講座などを開催し、カウンセラーを育てることにも精力を尽くしている。

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