【神戸市】朝ドラ「おむすび」で阪神・淡路大震災が描かれるので、あらためて震災遺構とモニュメントを紹介
橋本環奈さん主演のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「おむすび」(NHK総合・毎週月~土 朝8時~他)。いよいよ10月28日からは、1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災が、当時6歳だった結(磯村アメリ)の目を通して描かれます。10月29日(月)に放送された地震発生時の自宅での様子に続いて、10月29日(火)の第22話では、倒壊してしまった家を目の当たりにするシーンが放送されます。
そこで今回は、神戸市内に残る阪神・淡路大震災の震災遺構とモニュメント、関連施設をあらためてご紹介します。
神戸港震災メモリアルパーク
メリケンパークにある「神戸港震災メモリアルパーク」は、常時無料開放されている屋外型見学施設で、被災したメリケン波止場の岸壁の一部が当時のそのままの状態で保存されています。
直下型断層地震の凄まじさを語る証人とも言えますね。神戸港の被災の状況、復旧の過程などを記録した映像や写真パネルなども展示されています。
なお、「神戸港震災メモリアルパーク」は、2024年11月5日から2025年1月10日頃まで、展示改修工事のため、立ち入り禁止となります。訪れるなら11月4日までに!
動画でどうぞ。
相楽園 旧ハッサム住宅
相楽園にある「旧ハッサム住宅」も、阪神淡路大震災では大きな被害を受けました。
主屋は壁の各所に剥落や亀裂が生じ、屋根や天井、床が破損。レンガ積みの煙突は、屋根と2階の床を突き抜けて、北西にあった1階の配膳室まで落下。建物の修理の際に煙突を取り出し、震災の記憶を後世にとどめるため、前庭の隅に保存、展示しています。
一見頑丈に見える洋館、そしてレンガ積みの煙突をも簡単に破壊する地震の威力、怖さを目の当たりにし、震災への備えをしっかりしないといけないなと、改めて感じさせてくれます。
普段は中には入れないですが、9/21(土)~11/24(日)の土日祝日に限り、旧ハッサム住宅の内部が公開されています。時間は9:00~16:30(最終入館16:00まで)「旧ハッサム住宅」の見学は無料ですが、相楽園入園料が必要です。
新長田大橋地下道 ウォール・ギャラリー
新長田の大橋地下道には、ウォールギャラリーと名付けられた震災資料の展示コーナーがあり、神戸の壁のレプリカや新長田の変遷を紹介する写真パネルなどを展示。
ベンチの背もたれには、神戸の壁の基礎部分が使われています。
神戸の壁は、阪神・淡路大震災で長田区を襲った大火で焼け残った防火壁で、1927年頃に公設市場の防火壁として建てられたもの。神戸大空襲と震災の二度の大きな火災に耐え、現在は、兵庫県淡路市の北淡震災記念公園内にて、その姿をとどめています。
東遊園地 慰霊と復興のモニュメント
東遊園地にあるのが阪神・淡路大震災の犠牲者らを追悼する「慰霊と復興のモニュメント」。
モニュメントは2000年に完成。地下の「瞑想空間」には震災で亡くなられた方のお名前を刻んだ銘板が掲示されています。毎年12月に銘板追加式典が開かれ、2023年に新たに加わった12人を含め、ここに刻まれた名前は5,047人となっています。
開場時間は、毎日午前9時から午後5時まで。
皇后陛下御歌碑
慰霊と復興のモニュメントの近くには上皇后陛下の御歌が刻まれた歌碑があります。
2005(平成17)年1月に、神戸を御視察された皇后陛下(当時)が、震災に遭われた人々の苦難を思い、涙ぐまれた記憶を2006(平成18)年の歌会始において詠まれたもの。
と刻まれています。
イタリア広場
JR六甲道駅の南、灘区役所の隣に「イタリア広場」も阪神・淡路大震災のモニュメント。日本と同じく地震が多いイタリアの建築家によってデザインされ、両国の友好の証として、そして震災復興のシンボルとしてイタリア側から無償で提供されたもの。青いタイルもイタリア製です。
説明プレートには「この広場を1995年阪神・淡路大震災の犠牲者に捧げます。」などと記されています。
詳細については、こちらの記事をお読みください。
Sun Sister(サン・シスター)
兵庫県立美術館の前で、海を見つめながら静かに佇んでいるのが、2015年に誕生した「Sun Sister(サン・シスター)」。現代美術家 ヤノベケンジ氏の作品で、手にしている太陽は希望の象徴。
阪神・淡路大震災20年のモニュメントとして建立されたもので、東日本大震災の復興を祈念して建立された茨木市にある子ども像「Sun Child」の姉のような存在。世界中の全ての災害からの復興・再生をここから見守っています。
2つの作品が誕生した経緯については、Kenji Yanobe Supporters clubのサイトで詳しく説明されていますので、興味のある方はぜひお読みください。
人と防災未来センター
「Sun Sister(サン・シスター)」がある兵庫県立美術館の近くには、阪神淡路大震災の経験を語り継ぎ、その教訓を未来に生かすことを目的に設けられた防災学習施設「人と防災未来センター」があります。
震災発生の瞬間を再現した映像上映(1.17シアター)や被災者から提供された震災関連資料展示など、阪神・淡路大震災がどのような災害だったのかを知ることができる展示がメインでしたが、2021年6月には東館3階を全面リニューアルし、「BOSAIサイエンスフィールド」がオープン。
自分で考え、判断し、行動できる力を身につけることができる体験展示が新たに加わり、年齢を問わず、災害、防災・減災について幅広く学ぶことができる防災学習施設になりました。詳細はこちらの記事を。
神戸市内にはこの他にも様々な震災遺構があります。
須磨浦公園の落下した地球儀、御蔵南公園のクスノキ、エレガリオ神戸 レンガの壁など。
NHK 朝ドラ「おむすび」で描かれた阪神・淡路大震災。ヒロインの結と同じく辛い思い出をお持ちの方も少なくないと思いますが、このドラマ放送をきっかけに、市内各所に残る震災遺構を訪ねてみるのもいいかもしれません。
また、神戸市公式サイトでは、「南海トラフ巨大地震・津波への備え」というコンテンツも用意されています。今一度目を通して、家庭での備えを再確認されることをおすすめします。
「おむすび」の神戸編では、水道筋商店街がロケ地になっています。先日ロケ地周辺をぶらぶら歩いてきました。この様子はまた後日ご紹介します。