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3度目のタイトル挑戦の阿部麗也「世界ランキングもベルトも全部奪ってやる」

木村悠元ボクシング世界チャンピオン
写真撮影 甲斐 誠

15日、ボクシングWBOアジア・パシフィック、日本フェザー級タイトルマッチ12回戦が行われ、阿部麗也(29=KG大和)が、日本フェザー級王者の丸田陽七太(25=森岡)と対戦する。

今回3度目のタイトル挑戦となる阿部に話を聞いた。

3度目のタイトル挑戦

ーーー3度目のタイトル挑戦が決まりましたね、対戦相手の丸田選手について印象は。

阿部:自分が負けた佐川遼選手に勝っているので、もちろん弱くはないです。なめてはいませんが、まだ25歳と若い選手ですから。

身長が高くてやりづらいでしょうが、スピードやテクニック、全てで上回ってやってやろうかなと思います。

ーーータイトルへの想いは。

阿部:もちろん強いですよ、3回目ですからね。

ーーー1回目、2回目はどうでしたか。

阿部:最初の挑戦は日本王者にすぐなれると思っていた頃だったので。デビューしたのが20歳で、26歳でタイトル挑戦し、その時はドローでした。

2回目の挑戦では敗北して、日本タイトルって近いようで遠い、その2戦でタイトルの重みを感じました。

ーーー今回、3回目の挑戦となりますね。

阿部:タイトルを取っていない選手が、3回も挑戦できるチャンスってなかなかないと思うので、ここで取りたいですね。

世界ランキングにも入って、周囲の期待も大きいので。あとはもうベルトがないだけなので、取ってこの先行くぞと言いたいです。

ーーータイトルを取れば見える景色も変わってきますね。

阿部:はい。丸田選手も世界ランキング1桁ぐらいにランクインしているので、それを全部奪ってやろうかなと。

ボクシングスタイルについて

ーーー自身のボクシングスタイルについてはどうですか。阿部選手は変則的で、ガードが低いスタイルが印象的ですが。

阿部:今まではガードを下げて、トリッキーな部分もありつつ、勘で戦うボクシングが得意だったんです。

でもタイトル戦で負けて、このままでは駄目だと。今スタイルをだいぶ変えています。

ーーー前回の試合よりだいぶ変わっていますか。

阿部:前回の試合、渡部選手は攻めてくるタイプだったので、今までとスタイルを変えていません。

今回はこちらが距離を潰さないと当たらない、自分の距離にならないと思うので。そうなるとガード上げないと被弾してしまうので、今までとは違うスタイルを見せられると思います。

ーーー主にディフェンスを意識して。

阿部:そうですね、ディフェンスを考えながら、前に出るということは被弾する距離に行くわけではないですか。

なのでガードをあげる必然性を感じますし、逆に今までガードを下げていたので、自分から距離を潰して攻めるという事がなかなかできなかったので。

ーーーなるほど、身長差で相手との距離が開くことで、ガードの必要性を感じているわけですね。

阿部:はい。自分からボクシングを作っていく上で、ガードを上げたり、ディフェンスが重要だと感じています。

ーーー待ちではなく、自分から攻めていく。

阿部:その様な展開になるのではないかと予想しています。

ーーーパンチはどうですか。

阿部:どのパンチでも自信はありますが、最近左ストレートの当て勘の調子が良いので、やはり左ですかね。

ーーー得意のカウンターはどうですか。

阿部:来てくれるのであれば狙いたいですね。現場対応ですが、左系でさして、右で倒すとか。

どのパンチでも倒せる自信はありますが、本番では左が多いですね。スパーやミットでも「フックでも全然倒れるよ」と言われますが、実戦だと左が多いですね。

ーーー強化しているポイントはありますか。

阿部:パンチの距離を伸ばすために、遠くに打つことを意識しています。

以前から左ストレートは得意でしたが、来るものに対して当てるのが得意で、自分から遠くにパンチを打つのはあまり…。

やってみると意外にもっと伸びるな、もっと体を倒せるなと気づきました。

ボクシングを始めたきっかけ

ーーーボクシング始めたきっかけは。

阿部:小学生からプロボクサーになるって夢を持っていました。

ーーー誰かの影響ですか。

阿部:父親が格闘技好きで、小さい頃からよく一緒にみていました。

でも、自分が住んでる福島には、ボクシングをやれる環境が少なかったので、高校からボクシングを始めました。

3年間ボクシングをやった結果、ボクシングの厳さを感じて、一度は辞めました。

ーーーそうなんですね、ボクシングに戻ってくるきっかけは何だったんですか。

阿部:就職のため上京して、1年くらいは遊んでばかりいました。

近所にあるジムに趣味程度で通っていたら、会長に「プロでやってみないか」と誘われて、プロになりました。

ーーープロになった時はどうでしたか。

阿部:意外にハマっちゃいましたね。デビュー2戦目で負けて、そこで火がつきました。

その後は新人王まで連勝で行って、新人王をとったら「俺けっこう行けるな」と勘違いして、直後の試合で負けたりと色々ありましたが。気づいたらどんどんボクシングにのめり込んでいましたね。

試合に向けての意気込み

ーーー試合への意気込みは。

阿部:まず、ベルトをなんとしても取る。相手どうこうっていのは置いておいて、自分のボクシングに徹します。

相手は世界とか上だけを見て、調子に乗っているので、その辺は分からせてやろうかなと。世界を見据えてる?そんな先見ている奴はぽっくり負けんぞ、と。

ーーーキャリアの中でかなり重要な試合ですね。

阿部:でかいですよ、分岐点になりますよ。

ーーープレッシャーは。

阿部:ありません。今までのタイトルマッチ、前評判は自分有利の見方が多かったんです。

今回は相手の方が結果を残しているチャンピオンで、前評判が有利なので、完全に挑戦者の立場で臨みます。ただ、心の中では「調子に乗んなよ」と。

試合の模様は、ABEMA格闘チャンネルで午後12時45分から生配信開始、全試合無料中継となる。

元ボクシング世界チャンピオン

第35代WBC世界ライトフライ級チャンピオン(商社マンボクサー) 商社に勤めながらの二刀流で世界チャンピオンになった異色のボクサー。NHKにて3度特集が組まれ商社マンボクサーとして注目を集める。2016年に現役引退を表明。引退後に株式会社ReStartを設立。解説やコラム執筆、講演活動や社員研修、ダイエット事業、コメンテーターなど自身の経験を活かし多方面で活動中。2019年から新しいジムのコンセプト【オンラインジム】をオープン!ボクシング好きの方は公式サイトより

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