Yahoo!ニュース

実は難敵?番狂わせを狙う井上尚弥の対戦相手 サム・グッドマンとは

木村悠元ボクシング世界チャンピオン
(写真:西村尚己/アフロスポーツ)

ボクシングのダブル世界戦が12月24日、東京・有明アリーナで行われることが発表された。世界4団体スーパーバンタム級統一王者の井上尚弥(大橋)が、同級1位のサム・グッドマン(オーストラリア)と防衛戦を行う。

サム・グッドマンとは

グッドマンはオーストラリア出身のプロボクサーで、これまで19戦全勝(8KO)の記録を持つ。日本人ボクサーとの対戦経験もあり、2022年5月には富施郁哉(ワタナベ)に判定勝利している。

決定的な一発はないが、12ラウンドを戦い抜くスタミナとスピードがあり、カウンターが得意だ。2023年には井上が対戦したTJドヘニーにも大差判定で勝利。前戦では拳を骨折するアクシデントがあったものの、判定勝ちで井上への挑戦権を手にした。

ストレートを中心に戦い、ボディショットが上手く、まとまった戦い方で戦いにくい相手とされている。井上の対戦相手としては実力不足とも言われているが、展開次第では井上も苦戦する可能性がある。

インタビューでグッドマンは「東京ドームのころから井上を意識しており、その時から準備をしてきた。自信がなければこの試合は受けないし、ベルトをオーストラリアに持って帰るつもりだ」と意気込みを語っている。

タイトルマッチでは挑戦者が普段以上の力を発揮することが多く、井上を相手にどんな試合を見せるか注目される。

今後の井上尚弥

井上は今年3試合を予定しており、来年も同様に3試合を希望している。

通常、世界戦は怪我やコンディション調整、興行規模などの理由で年に2試合が一般的だが、井上が年3試合をこなせる背景には、減量の負担が軽減されたことや怪我の少なさがある。

スーパーバンタム級に上げてからフルトン、タパレス、ドヘニーと対戦し、いずれも圧倒してきた。来年もこのペースで続けるには、グッドマン戦は落とせない一戦となる。

この試合に勝利すれば、次戦は元王者ムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)との指名戦が有力視されている。アフマダリエフはリオ五輪で銅メダルを獲得し、プロ8戦目で世界タイトルを獲得したが、2023年に井上と対戦経験のあるマーロン・タパレスに敗北。その後、WBA挑戦者決定戦で勝利し、井上戦を望んでいる。

さらに、バンタム級で活躍する中谷潤人との一戦も可能性があり、実現すれば日本ボクシング史上最高の一戦となるだろう。この夢のカード実現に向け、今回のグッドマン戦は非常に重要な位置付けだ。12月の試合に注目が集まる。

元ボクシング世界チャンピオン

第35代WBC世界ライトフライ級チャンピオン(商社マンボクサー) 商社に勤めながらの二刀流で世界チャンピオンになった異色のボクサー。NHKにて3度特集が組まれ商社マンボクサーとして注目を集める。2016年に現役引退を表明。引退後に株式会社ReStartを設立。解説やコラム執筆、講演活動や社員研修、ダイエット事業、コメンテーターなど自身の経験を活かし多方面で活動中。2019年から新しいジムのコンセプト【オンラインジム】をオープン!ボクシング好きの方は公式サイトより

木村悠の最近の記事