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電撃復帰のマイクタイソン ユーチューバーに負ける可能性は

木村悠元ボクシング世界チャンピオン
(写真:REX/アフロ)

15日、アメリカ・テキサス州で元3団体統一王者マイク・タイソン(58=アメリカ)がリングに復帰する。対戦相手はユーチューバー兼ボクサーのジェイク・ポール(27=アメリカ)。31歳の年齢差が大きな話題となっている。

前日の計量でタイソンは228.4ポンド(約103.6キロ)、ポールは227.2ポンド(約103.0キロ)だった。タイソンは2020年にも元4階級王者ロイ・ジョーンズとエキシビションで戦ったが、動きは全盛期に及ばなかった。小柄ながらヘビー級で無敵の強さを誇り、軽量級並みのスピードと破壊力で勝ち続けたタイソンも、キャリア後半ではその武器を失いつつあった。

現役時代のタイソンは58戦50勝(44KO)6敗2無効試合を記録し、2005年にケビン・マクブライドにKO負けして引退した。パワーは維持できてもスピードや反射神経、スタミナは衰える。これらをどうカバーするかが今回のポイントだ。今回の試合はタイソンの年齢を考慮してか、通常の公式戦より短い2分間8ラウンドで実施。パンチの威力を減らすため重いグローブが使用される。

一方のポールはユーチューバーとして高い知名度を持ち、兄ローガン・ポールと共にボクシングで成功を収めている。2020年からリングに上がり続け、戦績は10勝(7KO)1敗。相手は格闘家やYouTuberが多く、ボクサーとの対戦経験は少ない。左手を下げた独特の構えとアグレッシブな戦い方が特徴で、YouTubeの登録者数は2000万人以上。世界的インフルエンサーとして注目を集めている。

近年はエキシビションマッチに挑むレジェンドが増加している。例えば元5階級王者フロイド・メイウェザーは那須川天心や朝倉未来と対戦し、一試合で数十億円を稼いでいる。タイソンの試合も報酬は推定2000万ドル(約31億円)で、さらにペイパービュー収益が見込まれる。タイソンは「過去最高額の報酬。素晴らしい収入だ」と語っている。

「キャリアのタイソン」か「若さのポール」か、結果は予測困難だ。しかし、前回のエキシビションからさらに歳を重ねたタイソンが動きを改善しているとは考えづらい。そのため、ポールがタイソンをKOする可能性も十分にあるだろう。伝説的なタイソンがユーチューバーに敗れる姿は見たくないものの、どんな結末になるか注目だ。

元ボクシング世界チャンピオン

第35代WBC世界ライトフライ級チャンピオン(商社マンボクサー) 商社に勤めながらの二刀流で世界チャンピオンになった異色のボクサー。NHKにて3度特集が組まれ商社マンボクサーとして注目を集める。2016年に現役引退を表明。引退後に株式会社ReStartを設立。解説やコラム執筆、講演活動や社員研修、ダイエット事業、コメンテーターなど自身の経験を活かし多方面で活動中。2019年から新しいジムのコンセプト【オンラインジム】をオープン!ボクシング好きの方は公式サイトより

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