サウジアラビアで30億円の大型契約 井上尚弥の今後の対戦候補となるのは誰か?
ボクシングスーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(大橋)が、サウジアラビア政府のプロジェクト「リヤド・シーズン」と総額約30億円(推定)に上る大型スポンサー契約を結んだと発表した。
リヤドシーズンについて
井上が契約を結んだリヤドシーズンは、サウジアラビアの首都リヤドで毎年開催されるエンターテインメントの祭典で、スポーツ、音楽、芸術など多彩なイベントが行われる。特にボクシングイベントは注目を集め、世界的な試合が開催されている。
24年5月には史上初のヘビー級4団体統一戦が行われ、WBC世界ヘビー級王者タイソン・フューリーとWBAスーパー・IBF・WBO世界ヘビー級統一王者オレクサンドル・ウシクの試合が行われ、大きな話題を呼んだ。
その背景には、莫大なファイトマネーで人気選手を招聘するための取り組みがある。ボクシングの本場もアメリカから中東に移りつつある。
井上が中東で試合を行えば、世界的な注目を集めることになるだろう。日本のマーケットは大きいが、海外で名を広めればファイトマネーも格段に高くなるはずだ。
現時点では、井上はリヤド・シーズンのアンバサダーに就任しているが、具体的な試合については明かされていない。
会見に出席したサウジアラビア総合娯楽庁のトゥルキ・アラルシク長官は、「井上選手は日本随一の、そして今の若い世代のトップのアスリート。来年、サウジアラビアでビッグファイトをすることだ」と述べている。
今後、井上がリヤドシーズンで試合を行うのは既定路線だろう。井上も「来年どうなるかはわからないが、タイミングによってサウジアラビアで試合ができれば。」と前向きな発言をしている。
今後の対戦候補は
井上は来月、4団体統一戦の防衛戦でIBF、WBO世界スーパーバンタム級1位サム・グッドマン(オーストラリア)と対戦する。その試合後、来年も3試合を計画しており、どこかのタイミングでサウジアラビアで試合をする可能性があるだろう。
次の対戦候補としては、元王者のムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)との指名戦が有力視されている。アフマダリエフは、井上が対戦したマーロン・タパレス(フィリピン)に敗れたが、パワーと技術を持つ強敵だ。
さらに、他の対戦候補として浮上しているのが世界3階級王者の中谷潤人(M.T)だ。現在、中谷は下の階級で戦っているため対戦の可能性は未知数だが、試合が決まれば話題となるだろう。また、階級を上げてフェザー級の王者達に挑戦する可能性もある。新たな挑戦となるが、今の階級で相手がいなくなればフェザー級への進出も時間の問題だろう。
リヤドシーズンは世界のボクシングファンからも注目されるイベントだ。そこに出場することになれば前例のない試みとなり、今後の井上の動向からますます目が離せなくなりそうだ。