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ルーキーが打球の最速記録を塗り替える。それまでのトップはスタントン

宇根夏樹ベースボール・ライター
オニール・クルーズ(左)Aug 20, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 8月24日、オニール・クルーズ(ピッツバーグ・パイレーツ)が3回裏に打ったボールは、ライトのフェンスを直撃した。スタットキャストによると、打球の初速は122.4マイル(約197.0km)。2015年以降の「スタット・キャスト・エラ」における、最速記録を更新した。

 これまでの最速は、ジャンカルロ・スタントン(現ニューヨーク・ヤンキース)の122.2マイル(約196.7km)だった。2017年10月1日と昨年8月9日に記録している。どちらも打球は上がらず、マイアミ・マーリンズ時代の1本目は、バウンドしながらセンターへ抜けていった。2本目は、4-6-3の併殺打となった。

 クルーズの場合は、シングル・ヒットだ。ホームランだと思ったのか、クルーズはゆっくりと走り出したが、仮に全力疾走していても、打球が速すぎて、二塁打にはできなかっただろう。

 初速120.0マイル(約193.1km)以上の打球は、17本目だ。スタントンが14本を占め、あとは、アーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)とゲリー・サンチェス(当時ヤンキース/現ミネソタ・ツインズ)とクルーズが1本ずつ。ジャッジとサンチェスの打球は、いずれも121.1マイル(約194.9km)。2017年6月10日のホームランと、2018年6月19日のレフト・ライナーだ。ちなみに、ホームランに限ると、スタントンが2018年8月9日に記録した、121.7マイル(約195.9km)が最も速い。

 クルーズは、昨年10月にメジャーデビューした遊撃手だ。身長は、ジャッジと同じ6フィート7インチ(約200.7cm)。送球も速く、6月20日の96.7マイル(約155.6km)に続き、先月14日には97.8マイル(約157.4km)を記録している。

 なお、スタントンを除くと、打球の初速トップ10は、クルーズ、ジャッジとサンチェス、ジャッジの119.9マイル(約193.0km)と119.8マイル(約192.8km)、マニー・マチャド(サンディエゴ・パドレス)の119.6マイル(約192.5km)、ジャッジの119.4マイル(約192.2km)、大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)の119.1マイル(約191.7km)、ネルソン・クルーズ(当時シアトル・マリナーズ/現ワシントン・ナショナルズ)とジャッジ(2本)と大谷の119.0マイル(約191.5km)となる。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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