北陸シリーズ・石川編 江越選手が2打席連続HRで5打点!《阪神ファーム》
阪神ファームは7月25日から由宇で広島3連戦があり、28日は鳴尾浜、29日と30日は丸亀でのオリックス3連戦、そして31日の練習と野球教室。帰ってきた翌日の8月1日から北陸でのBCリーグ2連戦と9連勤でした。4試合はナイターだったとはいえ移動続きなので堪えたでしょうね。1週間を超えた1日あたりが少しきつかったかも。きのうはおそらく積極的休養に努め、きょうからの中日戦(鳴尾浜、6日は姫路)に臨んでいます。
私も行ったり来たり、しかも節約のためナイターのわりに朝8時出発だったりで、なかなか記事を出せなくてすみません!きょうは1日に行われた、ルートインBCリーグ・石川ミリオンスターズとの交流試合についてご紹介します。
石川とは昨年9月に『石川ミリオンスターズ10周年記念試合』で、今回と同じ金沢市民野球場で戦って以来。その時の記事はこちらでご覧ください。→<石川ミリオンスターズ10周年記念試合 横山が5回パーフェクトも結果は惜敗> これは阪神ファームにとってフェニックスリーグ前のシーズンラストゲームで、帰阪後に戦力外を告げられた一二三慎太選手にとっても最後の阪神ユニホームでした。
その一二三選手が今、石川ミリオンスターズで練習生として頑張っています。昨年4月から3ヶ月間派遣されていた時にも、少し考えるところはあったのでしょう。ピッチャーとして再帰することを決め、昨年末に右肩を手術しました。まだリハビリ中でゲーム登板は先のことですが、元気な顔が見られ掛布監督やコーチ陣、トレーナーやスタッフの皆さん、そして選手たちも嬉しそうで、何より一二三選手本人の笑顔が最高!その話は後日、また改めてご紹介します。
約10か月ぶり、金沢での対戦
さて、1日の試合は守屋投手と伊藤和投手がホームランを打たれたものの、こちらは江越選手の2打席連続の3ランと2ランなどで7対3の勝利です。
そうそう、昨年9月の対戦でも伊藤和投手はシリアコ選手(現・DeNA)に、守屋投手は大村孟選手(現・ヤクルト育成)に、それぞれソロを打たれましたね。先発して3回1安打無失点だった安江嘉純投手(現・ロッテ育成)も、この後のドラフト会議で指名されるなど、3人ともがNPB入りしています。そんなこともあってか、昨年は前期と後期を制した石川ですが、ことしは最下位と奮わず…。巻き返しを期待しましょう。
またホームランといえば、江越選手は7月19日に鳴尾浜で行われたBCリーグ北陸選抜チームとの試合でも、同じ寺田光輝投手からホームランを放っていますし、もう1人の寺岡寛治投手からは7月に陽川選手がソロを打ちました。あちこち縁がありますね。縁っていうのも変かな。
《交流試合》 8月1日
石川- 阪神 (金沢市民)
阪神 001 000 042 = 7
石川 000 100 020 = 3
◆バッテリー
【阪神】福永-守屋-山本-伊藤和 / 長坂‐小宮山(8回~)
【石川】石川-森野-上條‐飯野‐岩本‐寺岡‐寺田 / 小林
◆本塁打 江越3ラン(寺岡)、江越2ラン(寺田)
◆二塁打 今成、緒方、長坂、宮澤
◆打撃 (打-安-点/振-球/盗塁/失策)
1]右:江越 (4-2-5 / 1-1 / 0 / 0)
2]中:緒方 (3-2-1 / 1-2 / 2 / 0)
3]左:板山 (5-1-0 / 1-0 / 1 / 0)
4]三:陽川 (4-0-0 / 0-0 / 0 / 0)
5]指:今成 (4-1-0 / 2-0 / 0 / 0)
6]一:西田 (3-0-0 / 2-1 / 0 / 0)
7]遊:森越 (4-0-0 / 0-0 / 0 / 0)
8]捕:長坂 (3-1-0 / 1-0 / 0 / 0)
〃捕:小宮山 (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0)
9]二:植田 (2-0-0 / 0-2 / 1 / 0)
◆投手(打-振-球/失点-自責) 最速キロ
福永 3回 42球 (3-0-2 / 0-0) 150
守屋 2回 19球 (2-2-0 / 1-1) 148
山本 2回 22球 (0-3-0 / 0-0) 138
伊藤和 2回 50球 (2-5-0 / 2-2) 147
《試合経過》
打線は1回、連続三振で2死となったあと板山が左前打と盗塁を決めますが、ここは無得点。2回は西田の四球のみでした。3回1死ランナーなしから江越が四球を選び、これが暴投となって二塁へ。さらに暴投で2死三塁とし、緒方の打ち上げたフライをセカンドが捕れず(公式記録員は不在でしたが、エラーでなくヒットのランプ点灯)、タイムリー内野安打。1点を先制します。
先発の福永は1回、先頭の宮沢と入谷に連打され、2死後に四球で満塁とするも無失点。2回は2死から9番・神谷を内野安打で出しますが、自身の牽制でアウトにしました。3回は四球と犠打で1死二塁となったものの、3番・アセンシオは右飛で二塁走者が戻れずに併殺!ここはライト江越のキャッチ&スローが光りました。
しかし2人目の守屋が3回、先頭の桑原に同点ホームランを許します。とはいえ後は3人で片付け、5回も2死から宮沢に二塁打されながら無失点。ついで山本が登板し、6回と7回を完ぺきに抑えました。奪った三振は3つとも見逃しです。その間の攻撃では4回に1死から今成が左越え二塁打、6回に先頭の緒方が右二塁打を放ちますが、得点にはつながっていません。
5回と7回は三者凡退でした。1対1のまま迎えた8回、先頭の長坂が左中間二塁打を放ち植田の死球で無死一、二塁。続く江越がセンターへ買い越しの3ラン!次の緒方は四球と盗塁、1死後に陽川の打球をセンターが捕球エラーして緒方は生還。今成と西田は三振に倒れるも、この回4点を入れて5対1とします。
8回裏は伊藤和が2死から入谷に中前打され、続くアセンシオにライトへの2ランホームランを浴びました。これで2点差。すると9回表、阪神は2死から植田が四球を選んで二盗成功、続く江越が今度はレフトへ2打席連続となる2ラン!これで7対3として、9回裏は続投の伊藤和が5番・サルセドから3者連続三振(8回から4者連続)を奪って試合終了です。
「江越は1軍で欲しい選手だから」と監督
掛布雅之監督は試合後、2本塁打の江越選手について「まあまあ気持ちが楽な試合ではあるけどね。1打席目は空振り三振してきたんで『今やっていることをやればいいんだ』と言ったら、2打席目以降は(練習の)スイングの感覚で打ちにいったと思うよ。こうやって結果が出れば、やっていることを継続する力が出てくる」と話しました。
試合前の練習で、掛布監督と江越選手のマンツーマン指導は毎日行われていて、赤いゴム製の“巻き付きバット”を何度か振り、そのあとバットスイングをします。掛布監督は「ボールを打つ前の、体の使い方を“体が覚えるため”の練習。バットを振るのではなく、体のスイングですね。体をレベルに回せば、バットはしっかり振れる。ボールを見てしまうと崩れるから、まずスイングだけ」と説明しています。
また、この日見せた好守備も含め「絶対、1軍で欲しい選手だから。あとは打つだけですよ。1軍のレギュラーレベルの足と肩を持っている。結果が継続につながっていけば」と期待の言葉。
そういえば練習中、石川のベンチで阪神のフリーバッティングを見ていた選手たちから「江越の打球、えぐいなあ」という声が。一二三選手も「すごいっすよ、あいつ」と言うので「確か、一二三選手も練習で誰より飛ばしていたっけ」と振ってみたら「そうそう!練習ではね」と思い出し笑いでした。でも試合で見せられてよかったですね、江越選手。
では江越大賀選手本人のコメントをご紹介しましょう。ホームランは「カーブとスライダーです。打席の中で、練習のイメージそのままで出来たので」と振り返りました。最高の結果だ出たのでは?「まあそうですね。でも今は結果より、打席の中で練習通りのことがいかに出せるかを考えてやっています。それを続けていきたい」
真夏の戦い、それぞれのアピール
中6日で先発した福永春吾投手は、前回と同じく3イニングを投げて3安打無失点。「ちょっとずつ良くなっているんじゃないかなと思います」。独立リーグ相手の登板で「しっかりと真っすぐを、思いきり振りに来ていました。力強いスイングで。それを抑えきれたのはよかったです。球の力はあったかなと思う」と振り返っています。なお1回に151キロ、152キロが出て「152は自己最速タイ。プロでは最速ですね」とのこと。
山本翔也投手は2回パーフェクト、3奪三振で「ちょっとストライクゾーンが広かったけど」と言ったあと「でも自分のピッチングを試せたかなと思います。スライダーで悩んでいたので、少し握りを変えてみたんです。抜けるようになっていたのを修正して」と説明。これからも継続して、結果を残すのみですね。また1軍で投げるために「抑えることでしかアピールできないので」という言葉で締めくくった左腕です。
先月下旬の打撃練習中、投球を左足に受けて試合から離れていた西田直斗選手が、今回の北陸遠征に参加しました。何より一二三選手に会えたことがメチャクチャ嬉しかったみたいですね。なお痛みはまだあるようで、試合後はしっかりアイシング。守備でもしっかり動けていたように思います。
最後に緒方凌介選手。タイムリー内野安打はちょっと、かなりラッキーなものでしたが、6回にライトへの二塁打。また8回と9回は四球を選んで、両方とも盗塁成功!3打数2安打で2盗塁です。試合後に声をかけたら「あの二塁打はよかったですねえ」と、久しぶりに明るい声が返ってきました。翌2日にも右前タイムリーと、ライトフェンス直撃の2点タイムリー三塁打。負けられない戦いは、緒方選手にもあります。