総選挙が短期化傾向 討論会など判断材料減る恐れ 以前は解散から投票まで30日前後あったが…
自民党の石破茂新総裁が9月30日、10月の臨時国会を早々に解散し、10月27日にも衆議院の総選挙を実施したいとの意向を表明した。10月9日にも解散するとみられ、「超短期決戦」と報じられている。
このとおり解散総選挙が行われるとすると、解散日から投票前日まで18日となる。
調べてみると、小泉政権から野田政権までに行われた総選挙では30〜40日だったが、安倍政権で短くなり、23〜24日だった。岸田政権下で実施された前回からさらに短くなっており、2回連続で20日未満となる見込みだ。
法律上の正式な選挙期間は公示日からだが、解散から事実上選挙が始まっている。2017年総選挙からは公示日から期日前投票ができるようになっており、実質的な選挙期間はさらに短くなっているとも言える。
公職選挙法は「衆議院の解散に因る衆議院議員の総選挙は、解散の日から四十日以内に行う」(31条3項)と定めており、最長40日にすることも可能だ。麻生政権下での総選挙(2009年)は40日だったが、今回の石破新政権下での総選挙はその半分以下となる。
公示日・投票日は事実上、政権与党側が決めるため、できるだけ短くした方が有利と判断している可能性がある。
ただ、選挙期間の短縮により、党首討論会などの有権者の判断材料が減少することが懸念される。
石破新政権が10月9日に衆議院を解散することになった場合、発足から8日後での解散・総選挙は過去最短となる。
そもそも、発足から1ヶ月以内に解散・総選挙を行った事例は、前回の岸田内閣が初めてで、衆議院議員の任期満了まで残り7日しかなく、解散しなくても総選挙が行われる特殊事情があった(第205回国会資料)。
現在の衆議院議員の任期はまだ1年余り残っている(2025年10月30日まで)。
任期が十分残っている中、新政権の実績・成果がほぼ何も出ていない状態で総選挙を実施するのは、戦後政治史上でも極めて異例のことと言えそうだ。
※ トップ画像をグラフに差し替えました。(2024/10/3)