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オートバイのあれこれ『二輪免許が無くても味わえる!?ホンダ製マン島TTレーサーの血』

Rotti.モトエンスー(moto enthusiast)

全国1,000万人のバイク好きたちへ送るこのコーナー。

今日は『二輪免許が無くても味わえる!?ホンダ製マン島TTレーサーの血』をテーマにお話ししようと思います。

「原付バイク」と聞くと、大半の人は原付スクーターを思い浮かべるのではないでしょうか。

たしかに、世の中に流通している原付一種(50cc)クラスのバイクのほとんどはスクーターモデルでしょう。

ただ、そんな50ccの原付クラスにも、格上クラスのモデルに遜色ない本格的な作りがなされていたモデルというのがいくつかありました。

ホンダ『ドリーム50』は、その筆頭的存在といえるでしょう。

▲Dream50〈1997/画像引用元:本田技研工業〉
▲Dream50〈1997/画像引用元:本田技研工業〉

ドリーム50には、1960年代に世界を席巻したホンダのレーシングマシン『RC』シリーズのDNAが息づいています。

その最たる所が、エンジン。

なんと、50ccという極小エンジンにも関わらず、ツインカム(DOHC)と4バルブが内蔵されているのです!

▲原付なのにDOHC&4バルブ!
▲原付なのにDOHC&4バルブ!

上の画像を見て分かるとおり、エンジンのヘッド部分がミッキーマ◎スの輪郭みたいになっていますね。

ミッ◎ーの耳にあたる箇所(半円状の部分)にはカムシャフトが1本ずつ入っており、顔に当たる箇所には4本の吸排気バルブが備わっています。

400ccや750ccなどエンジン自体がそこそこ大きければ、カムシャフトやバルブもそれに比例して大きめのサイズで作ることができますが、ピストンの直径が4cmほどしかない50ccのエンジン用のカムシャフトやバルブを拵えるとなると、きわめて緻密な製作精度が求められます。

しかしホンダは60年代、WGP(世界グランプリ)へ参戦するにあたって5気筒の125ccエンジンや6気筒の250ccマシンを作っていた実績があり、その経験を活かしてこのドリーム50のパワーユニットを完成させることができたのでした。

▲レーシングマシンのRC166。250ccの6気筒エンジンだった〈1967/画像引用元:本田技研工業〉
▲レーシングマシンのRC166。250ccの6気筒エンジンだった〈1967/画像引用元:本田技研工業〉

60年代のマン島TTレース等の現場で、「ホンダの多気筒レーサーは腕時計にも劣らない精密機械だ」というようなことをよく言われていたようですが、ドリーム50のエンジンもまさしく「精密な心臓」と表現して差し支えないでしょう。

また、このドリーム50に関して、“よくよく考えてみるとありがたい”のが、二輪免許を持っていなくても楽しめること。

ドリーム50は原付一種の二輪車なので、普通自動車免許があれば公道を運転することができます。

メーカーの技術の粋が集められて開発されるのはたいてい大型バイク(=大型二輪免許が必要)だったりしますから、二輪免許無しで世界を制したホンダの技術を味わえるというのは、かなりレアな機会だといえるのではないでしょうか。

「世界を脅かしたホンダRCに触れてみたい…」

そんな“夢”をあまりにも気軽に叶えてくれるのが、この“ドリーム”50なのです。

▲マン島TTレプリカという“贅沢すぎる”原付モデル!
▲マン島TTレプリカという“贅沢すぎる”原付モデル!

モトエンスー(moto enthusiast)

バイクを楽しむライター。バイク歴15年で乗り継いだ愛車は10台以上。ツーリング/モータースポーツ、オンロード/オフロード、最新バイク/絶版バイク問わず、バイクにまつわることは全部好き。

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