【オートバイのあれこれ】凝ったフレームでトータルバランスを追求。CBR250RR
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今日は「凝ったフレームでトータルバランスを追求。CBR250RR」をテーマにお話ししようと思います。
2017年に発売されたホンダの250ccスポーツ『CBR250RR』(MC51型)。
デビュー以来主に若い世代から支持を集め、近年のバイクシーンを盛り上げているCBR250RRですが、実はこのCBRが登場するよりはるか前、平成初頭の頃にも、当時のバイクシーンを沸かせた“CBR250RR”がありました。
“MC22型”『CBR250RR』です!
その佇まいを見てもらえればなんとなく想像できるかと思いますが、MC22型CBRは、1980年代のレプリカブームの流れを汲んで生まれてきたモデルの一つになります。
’ホンダは’86年に同社初のクウォーターマルチ車『CBR250FOUR』をリリースし、翌’87年には早くも後継の『CBR250R』を発売。
CBR250RはMC17型からMC19型へと進化し、その後’90年にとうとう250Rの後継としてCBR250RR(MC22)が登場することになりました。
車名末尾の「R」の数が先代から1つ増え、なんだかいっそう過激なモデルになったような感じも受けますが、実のところ250RRは、エンジンパワーといった目で見て分かりやすい数値の部分というより、フィーリングの部分(≒乗り手が感じるバランスの良さ)がブラッシュアップされていました。
ライダーがバイクから実際に受け取る感覚・感想(「乗りやすさ」「コントロールのしやすさ」等)を優先材料として開発が進められたことで、結果的に250RRは、開発陣の狙いどおりトータルバランスが先代から格段に向上したバイクへと仕上がったのです。
そのバランスの良さを実現した最大のファクターが、フレーム。
250RRのフレームには、『LCGフレーム』というホンダが独自に開発したユニークなものが採用されました。
分類としてはツインスパーフレームの一種なのですが、重心の低い形状とするため、フレームの前半分は押出成形で製作する一方、後ろ半分は鋳造製とし、また造形も横から見ると緩やかなS字を描く格好となっていました。
250RRは、カタログスペック上では前モデルのMC19型CBRとあまり変わらないのですが、実際に乗ると性能の引き出しやすさが大幅に向上しており、サーキットやレースにおいても抜群の速さを見せつけたのでした。
画像引用元:本田技研工業