「終わった男」のKO宣言
先日、3.2パウンド(1.45kg)超過した体重でリングに上がり、デヴィン・ヘイニーを判定で下したライアン・ガルシア。試合後に禁止薬物の使用が明らかになり、改めてその人間性が問われている。
ガルシアには、引き続きB検体の検査中であるが、これが陽性反応を示した場合、出場停止処分を受ける可能性がある。渦中であるにもかかわらず、ガルシアは、昨年7月28日までWBA/WBC/IBFウエルター級タイトルを保持していたエロール・スペンス・ジュニアを執拗に挑発している。
この男のことは、本当に理解できない。
2023年4月22日、ジャーボンテイ・デービスに完膚なきまでに叩きのめされたガルシア。
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/bebce38fb33b89e3e5e1ea3f290c41381b19cc45
プロ生活初黒星直後、ガルシアは、記者会見の席にオスカー・デラホーヤ、そしてゴールデンボーイ社の副社長であるバーナード・ホープキンス、ガルシアのトレーナーを務めたジョー・グーセンがやって来なかった事に不満を漏らし、デリック・ジェームズにコーチを依頼する。
そして、4冠統一ウエルター級戦を控えたエロール・スペンス・ジュニアのキャンプに参加し、ジェームズの指導を受けた。
およそ1年間、ジェームズと汗を流し、膨らんだ体でヘイニーに勝利すると、「スペンスは、あれだけ優秀なトレーナーであるジェームズにきちんとカネを払っていない。そんな非常識な男は、俺がリングでKOしてやる!」と言い始めた。
顔に泥を塗られたスペンスも、「やってやる!チューンナップファイトは受け付けない」と応戦。すると、ガルシアは弁護士と協議し、スペンスに試合のオファーを送り、ゴールデンボーイ・プロモーションにもその旨を通知した。
試合前に採取した尿サンプルでオスタリンの陽性反応が出ているガルシアは、何とかリングにしがみつきたいと、足掻いているように見える。一方で、昨年7月29日に催された、WBA/WBC/IBF/WBO統一ウエルター級タイトルマッチでテレンス・クロフォードに敗れたスペンスは、同ファイト以来ブランクを作り、今年の頭に右目白内障の手術をした。
右目がリングにどのような影響を及ぼすかは予想できない状態だ。
ガルシアは、こうした要素を踏まえて対戦を熱望しているのだ。オーバーウエイトに続き、狡猾である。やはり「終わった男」としか表現の仕様がない。