ノルウェー首相「中国は諜報上の脅威」
ノルウェー警察保安局(PST)は2月12日付の脅威評価で、中国とイランがノルウェーにとって諜報上の脅威であると発表した。
ノルウェーの保安局や情報局の報告書では、ロシア、中国、北朝鮮、イランの4カ国が、ノルウェーで諜報情報を得ようとしている唯一の国として挙げられている。
軍事的脅威はロシアだけだとする一方、中国がノルウェー社会、特に学術界やビジネス界にもたらす危険性があると、中国の軍事研究者と学生がノルウェーで活動していると警告も発せられた。
この直後、否定的な言葉で名指しされた中国とイランは、ノルウェー当局に会談を要請するなど接触したことが、ノルウェー現地では注目を集めていた。
4月30日、ヨーナス・ガール・ストーレ首相(労働党)は、首都オスロで国際記者団のインタビューに答えていた。
「ロシアと中国が国家安全保障上の脅威とされていますが、ロシアと中国からの脅威はノルウェーにとって同様に深刻なものだとお考えですか」
この質問が中国の記者から飛んだとき、各国の記者は興味津々に首相の顔を見た。
「私の言葉を中国に伝えてくれるなら、嬉しく思います」という言葉で場を和ませた後、ストーレ首相は問いに対し「中国は脅威である」と答えた。
「ノルウェー北部での活動で、私たちが非常に注意しなければならないのは、ノルウェーの産業、技術、政府庁舎などに対する対策です。ハイブリッドな新しい諜報活動の課題から十分な証拠と経験を得ており、中国とロシアはその筆頭です。ロシアがヨーロッパで大規模な戦争を行い、人命を奪い、大きな不安定を作り出していることは、安全保障政策という側面から見れば、中国とは明らかに異なることです」
「ノルウェーと中国は外交的、政治的な接触を保っています。グローバルな場面では、AI、テクノロジー、気候変動貿易などで、中国と解決しなければならない問題があります。ロシアに関する状況とは全く異なりますが、中国の諜報の脅威に関しては、我々の機関はノルウェーが直面していることについてかなり明確です。私たちはそれを公表していますし、それが私の政府の方針でもあります。そして、政府が一連の流れをどのように読んでいるかということを、国民と共有しています」
両国間の対話は維持されているものの、諜報と安全保障の課題が依然として両国の関係に影を落としている。国際的な平和と安定を模索するノルウェー政府は、中国との外交政策において、ノルウェー国民に正直なメッセージを伝えるとともに、中国政府との微妙なバランスを保とうとしている。