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大谷翔平がリーチをかけた、本塁打も盗塁も二桁の「10-10」は今シーズン5人が到達

宇根夏樹ベースボール・ライター
コービン・キャロル(アリゾナ・ダイヤモンドバックス)May 21, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 6月7日、大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)は、5回裏に四球で出塁後、二盗と三盗を立て続けに決めた。

 これは、シーズン8盗塁目と9盗塁目だ。次に盗塁を記録すると、本塁打も盗塁も二桁の「10-10」となる。ホームランは、すでに16本を数える。

 今シーズン、すでに「10-10」に到達している選手は5人いる。6月7日を終えた時点で、ロナルド・アクーニャJr.(アトランタ・ブレーブス)が12本塁打と28盗塁、コービン・キャロル(アリゾナ・ダイヤモンドバックス)が11本塁打と18盗塁、ジョシュ・ロウ(タンパベイ・レイズ)が11本塁打と14盗塁、フリオ・ロドリゲス(シアトル・マリナーズ)が11本塁打と12盗塁、ボビー・ウィットJr.(カンザスシティ・ロイヤルズ)は10本塁打と19盗塁を記録している。

 5人とも、年齢は25歳以下だ。アクーニャJr.は、2018年に新人王となり、翌年は「40-40」まで3盗塁に迫った。ロドリゲスとウィットJr.は、昨シーズンの新人王と投票4位だ。どちらも開幕戦でメジャーデビューし、「20-20」を記録した。ロウは、ブレイク中。キャロルは、このままいけば、新人王を受賞するだろう。

 二桁本塁打と9盗塁は大谷しかいないが、9本塁打と二桁盗塁は2人。アンソニー・ボルピー(ニューヨーク・ヤンキース)が9本塁打と14盗塁、ジョージ・スプリンガー(トロント・ブルージェイズ)は9本塁打と10盗塁だ。この3人の誰かが、今シーズン6人目の「10-10」になるとは限らないものの、数値からすると、最も近い位置にいる。

 なお、過去3シーズンにおける「10-10」は、短縮シーズンの2020年が6人、2021年と2022年は51人ずつだった。「20-20」は、0人、10人、9人。このスパンの「30-30」は、2021年に30本塁打と30盗塁のセドリック・マリンズ(ボルティモア・オリオールズ)だけだ。

 継続している「10-10」のストリークは、ムーキー・ベッツ(現ロサンゼルス・ドジャース)の8シーズンが最も長い。メジャーリーグ2年目の2015年以降、どのシーズンも、16本以上のホームランを打ち、10盗塁以上を記録している。

 過去2シーズンのどちらも「20-20」は3人。トレイ・ターナー(現フィラデルフィア・フィリーズ)は、2021年が28本塁打と32盗塁、2022年は21本塁打と27盗塁。ホゼ・ラミレス(クリーブランド・ガーディアンズ)は、36本塁打と27盗塁、29本塁打と20盗塁、ランディ・アロザレイナ(レイズ)は、20本塁打と20盗塁、20本塁打と32盗塁だ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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