Yahoo!ニュース

どっちが本物のボーア!? 最初の10試合は本塁打ゼロ、次の10試合は5本。そこからは6試合続けて…

宇根夏樹ベースボール・ライター
アーロン・ジャッジ(左)とジャスティン・ボーア Jul 10, 2017(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ジャスティン・ボーア(阪神タイガース)は、開幕から6月30日までの10試合に、ホームランを1本も打てなかった(打率.194)。ところが、7月1日~15日は10試合で5本塁打(打率.405)。そして、7月16日以降は再びホームランなしが6試合続いている(打率.053)。

 ボーアがメジャーリーグでプレーした6シーズン(2014~19年)のうち、最も多くのホームランを打ったのは、3年前の2017年だ。マイアミ・マーリンズで108試合に出場し、25本塁打を記録した。

 このシーズンを「5試合以上続けてホームランなし」と「それ以外」のスパンに分けると、リストのようになる。

筆者作成
筆者作成

 今シーズンのここまでの推移、コールド→ホット→コールドは、そっくりとまではいかないものの、2017年とよく似ている。最初の10試合にホームランがなかったのは、まったく同じだ。この類似からすると、今シーズン最初の10試合と次の10試合は、どちらも「本物」と言えそうだ。

 2017年のボーアは、2度目のコールド、5月1日~9日の9試合連続ホームランなしを脱した後に、打棒を振るった。5月10日~13日の3試合連続アーチを皮切りに、月末までに2試合連続が2度(5月18日~19日、21~23日)、1試合2本も1度(5月31日)記録した。

 このスパンを再現できるかどうかはともかく、ポテンシャルは持っている。

 3年前、ボーアはオールスター・ゲームには選ばれなかったが、マーリンズ・パークの開催ということもあり、前日のホームラン・ダービーに出場した。そこで、アーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)と対戦して敗れたものの、最初のラウンドで20本以上のホームランを打ったのは、23本のジャッジと22本のボーアしかいなかった。当時はボーアとチームメイトだったジャンカルロ・スタントン(現ヤンキース)をはじめ、他の6人は、いずれもボーアより5本以上少なかった。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

宇根夏樹の最近の記事