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飲食店がコロナ禍でもULSSASを活用して過去最高売上更新

三ツ井創太郎飲食店コンサルティング(株)スリーウェルマネジメント代表
(写真:アフロ)

皆さんこんにちは飲食店コンサルティング会社スリーウェルマネジメント代表の三ツ井です。まん延防止等重点措置が解除され、徐々にお客様が戻りつつある外食業界ですが、コロナ禍前と比べると依然として厳しい状況が続いています。

今回はこうした厳しい状況にあってもコロナ禍前を超えて売上を実現している弊社ご支援先の成功事例をお伝えさせて頂きます。

今回ご紹介をさせて頂くのは都内でバル業態等を展開する企業様。

「繁華街型バル業態」という事で、売上の戻り具合を心配をしておりましたが、5月の着地は過去最高売上でした。

現場のスタッフの皆様の頑張りはもちろんの事、こちらの店舗が過去最高売上を達成できた理由の一つにULSSAS戦略があります。

■ULSSAS(ウルサス)とは

筆者作成
筆者作成

皆さんはULSSAS(ウルサス)という言葉を聞いた事はありますでしょうか?ULSSAS(ウルサス)はSNS時代のお客様の購買行動を表したものです。本日はULSSASについて少しご説明をしていこうと思います。

①UGC(お客様が投稿したコンテンツ)

来店したお客様がSNSにお店の情報を投稿する。

②LIKE(いいね)

お客様の投稿を見た他の人が投稿に‟いいね”をする。

③Search1(SNS検索)

お店の事が気になりSNS上でお店の詳しい情報を検索する。

④Search2( Google/YAHOO検索)

GoogleやYAHOO等の検索エンジンでさらにお店の情報を検索する。

⑤Action(来店)

実際にお店に来店する。

⑥Spread(拡散)

来店したお客様が商品の写真等をSNSに投稿する。

そしてこの投稿を見た人が“いいね”をする(②LIKEに戻る)事で、来店のサイクルが生まれていく。

こうしたSNS時代のお客様の来店(購買)行動がULSSAS(ウルサス)です。

■Instagramのストーリーズ(Stories)機能を活用したULSSAS成功事例

写真:アフロ

具体的に言うと、こちらのご支援先では、Instagramのストーリーズ(Stories)機能を活用して、1日3回以上、多い日には7回以上も情報発信をしています。

こうした投稿を見て、まずは常連のお客様が来店されます。そして来店された常連のお客様が自身のInstagramにメニューの写真をアップしてくれます(UGC=お客様が投稿したコンテンツ)。

そのお客様の知り合いや、ハッシュタグ経由でその投稿を見た方が「いいね」をします(LIKE=いいね)。

SNSのアルゴリズムにおいては「いいね」等を多数獲得している投稿はより広範囲に拡散される傾向があります。

こうして多くの人がお店やメニューの存在を知ります。実際に「いいね」をした人は、さらに店舗の詳しい情報を得ようとSNS上で店舗のInstagramページ等を閲覧します(Search1=SNS検索)。

そして「来店してみたいな~」という気持ちになると、今後はGoogleやYAHOO等の検索エンジンで店舗を検索します(Search2=Google/YAHOO検索)。

そしてGoogleマイビジネスやグルメポータルサイトの口コミ等を確認した上で実際にお店に来店し、Instagramで見たメニューをオーダーします(Action=来店)。

さらにこのお客様は目の前にInstagramで以前に見たメニューが運ばれてくると、自身でも写真を撮ってInstagramに投稿します(Spread=拡散)。

このようにして「ULSSASの好循環」が生まれるのです。

ただし、闇雲にSNSを投稿していても「ULSSASの好循環」を生み出す事は困難です。

■飲食店がULSSASを活用して集客アップを実現する為の3つのポイント

写真:アフロ

私は「ULSSASの好循環」を生み出すために、下記3つのポイントを重視してもらうようにお伝えしています。

【飲食店が「ULSSASの好循環」を生み出すための3つのポイント】

①商品力(コンテンツ力)

まず大前提として、そもそもSNS等にアップしたいと思われるような商品でなければULSSASの最初のUGC(お客様が投稿したコンテンツ)を発生させる事はできません。こちらに関しては、日頃からモデル店調査(SNS上での調査でも可)を行った上で、厨房スタッフと連携し、付加価値の高い商品を開発していく仕組み(商品開発会議等)が重要となります。

②仕組み化力

2つ目は投稿の「仕組み化力」です。こちらのご支援先では、若い女性スタッフをSNS担当に任命した上で、主体的にSNS投稿を行ってもらう仕組みを構築しています。このように仕組み化をしておかないと、必ず忙しさにかまけてSNS運用が後手後手になってしまいます。「SNS運用手当」等のインセンティブを支給する事も投稿の仕組み化を実現する上では有効な手段です。

なおSNS投稿時には必ず担当者に「#自店舗の名前」をつけてもらうルールにし、マネジャーや社長が自店舗の投稿を直ぐに検索できるようにしておきます。こうして自店舗の投稿クオリティやネットリテラシーをチェックできる仕組みも同時に構築しておく事が重要です。

③QSC力

そして何よりも大切なのが「QSC力」です。せっかくSNS等で商品を見て来店して下さっても

「SNSで見た商品と実際に提供された料理がぜんぜん違う!」

「料理は美味しかったけど、スタッフの対応が悪かった!」

など、来店時の満足度が低いとお客様のクレームになりかねません。なお弊社のアンケート調査では、SNS等の投稿を見てわざわざご来店されたお客様は、通常のお客様に比べて事前期待値が高いため、クレームリスクが高いという事も分かっています。

ぜひ皆さんのお店でも①商品力②仕組み化力③QSC力の3つのポイントに注意しながら、自社なりのULSSAS戦略を構築していって下さいませ。

本記事が少しでも飲食店経営者様のご参考になれば幸いです。

最後までお読み頂きありがとうございます。

飲食店コンサルティング(株)スリーウェルマネジメント代表

㈳日本フードビジネス経営協会代表理事。飲食企業で店長、SV、事業統括の経験を経た後、2011年に東証一部上場のコンサル会社である(株)船井総合研究所に入社。飲食コンサルティング部門のリーダーとして数多くの飲食店支援を行う。2016年飲食店特化のコンサルティング会社(株)スリーウェルマネジメントを設立。「飲食店オーナー様に徹底的に親身なサポートを!」を理念に、個人店から大手チェーンまで日本全国の飲食店へ支援を行う傍ら、テレビのコメンテーターや行政、金融機関と一体となった飲食店支援も行う。著書「V字回復を実現する! あたらしい飲食店経営35の繁盛法則 」はアマゾンの外食本ランキングで1位を獲得。

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