行き当たりばったり販促から脱却する!繁盛飲食店がやっている「年間MD計画」
飲食店コンサルティング会社スリーウェルマネジメント代表コンサルタントの三ツ井創太郎です。
前回のコラムでは、飲食店の人材不足対策【WEBシステム編】についてお話をさせて頂きました。
今回のコラムでは、集客サイクル構築事例についてお話をさせて頂きます。
なお、今回の内容はYouTubeチャンネルでも解説していますので、よろしければ下記よりご覧ください。
(筆者作成)
年間MD計画表で売上アップの仕組を構築する
ここではCPO分析「CPO(Cost Per Order=コスト・パー・オーダー)分析」で適正化された販促の効果を最大限に高めるための戦略である「年間MD計画」についてお話をさせて頂きます。
年間MD計画とは、年間を通じた商品・販促戦略のMD(MerchanDising=商品政策)を戦略的かつ計画的に行う手法です。私が日々、多くの飲食店のご支援をして感じるのは、「無計画な販売促進」を行っているお店がとても多いということです。
「来週から新メニューがスタートするから、急いでメニューを考えなきゃ!」といって、スマホで急いでメニュー写真を撮影し、グルメポータルサイトに掲載する。皆さんのお店でもこんなことが起きていませんか?
このような無計画な販売促進では、店舗集客の最大化は実現できません。そのためには、しっかりとした計画を立てることが重要なのです。
リピート客獲得を成功させる集客サイクル
最初に考えなくてはならないのは、1年間の中で新規客とリピート客をどのように効率よく獲得していくかということです。
基本的な考え方としては、一年間の中で繁忙期となる月に、しっかりと新規集客販促を実施し、お客様のデジタルアドレスを獲得することで「DAM戦略=デジタルアドレスマーケティング戦略」を通じて、リピート来店を実現する「集客サイクル」を構築していきます。
「販売促進は繁忙期ではなく、暇な閑散期に行った方が良いのでは?」とお考えになる方も多いと思いますが、閑散期というのはそもそもお客様のお財布の紐が硬く、新規客獲得販促を行っても、期待するようなコンバージョン(来店)が得られないケースが多いのが実情です。
そういった意味では、繁忙期に販売促進を行い、しっかりと新規客を獲得していくことが重要なのです。
また、繁忙期は来客数が多いので、デジタルアドレス獲得もしやすいという特徴があります。
例えば、来店したお客様に対して30%のデジタルアドレス獲得率で、その30%がリピートした場合、月間来客数が1,000人と2,000人では次のような違いがでます。
このように、繁忙期にしっかりと集客を行い、デジタルアドレス獲得をすることでその後のリピート客獲得につなげていくことが重要なのです。
「販促コストをかけて獲得した新規のお客様を、DAM戦略を通じていかにリピート来店をしてもうらうか」
これが飲食店の販売促進の原理原則となります。ただし、リピート来店をして頂くためには、QSCレベルが整っていることが大前提となります。(QSCとは、Q:クオリティー(品質)、S:サービス(サービス)、C:クリンリネス(清潔さ)を表した言葉です。)QSCレベルが整っていない中で販売促進を行うことは、「販促費を払ってお客様の不満足を拡散している」行為だと思って下さい。
こうしたサイクルを意識した上で、年間の具体的な販促戦略を構築していくのが「年間MD計画表」です。
次回のコラムでは、年間のMD計画表の中でどういった内容を打ち出していくのか。そして、それをどのように落とし込んでいくのかを解説していきます。
最後までお読み頂きありがとうございました。
(筆者作成)
<筆者プロフィール>
飲食店コンサルティング会社スリーウェルマネジメント
代表取締役 三ツ井創太郎