阪急上桂駅から府道29号線に出て、鈴虫寺・苔寺参道に入ると、松尾谷の神木でもある樹齢400年以上と伝わる大クスノキがあります。そこから少し下がったところに「当店のパンは天然酵母を使っています」と「おいしいパン食べ放題」のノボリが目を惹きました。2024年7月9日、「bakery cafe パン教室 なごみ」に入ってみることに。

　一つ一つ丁寧に説明書きのあるこだわりのパンがずらりと並んでいます。タルティーヌはフランスパンに野菜やチーズを載せて焼き上げた逸品、レーズンブリュレは菓子パン生地にレーズンを練り込み、スポンジを載せて焼き、キャラメリーゼされています。カスタードクリームに至るまで自家製にこだわった、まだまだあるラインナップはどれも美味しそうです。

　オープンディスプレイの横にいくつかのテーブル席がありました。ゆったりと座って、ドリンクとセットで1時間パン食べ放題のメニューがあったので、食べるレモンスカッシュとパン食べ放題をオーダーしました。夏限定の食べるレモンスカッシュは、ラズベリーやブルーベリー、マンゴー、はちみつ漬けしたレモンスライス、レモネード、炭酸水が入ったさっぱりドリンクです。味が薄くならないようにと氷までレモンで半シャーベット状になっていて美味しい。

　プレートに少しずつ切り分けられたパンが6種類出てきました。これくらいだと食べやすい。時間内であれば、食べきったら追加が何回でもできます。紫に近い色のピザ風とあんパンがほんとにやわらかいのに、もちもちとしたほど良い噛み応えがあって、自然な甘みがめちゃ美味。紅芋かと思ったのですが、黒米粉だそうです。

　店主でマイスターの加藤英生さんによると黒米粉を使っているパン屋は稀少なのだそう。もちもち感があって食べやすいパンを作りたかったといいます。ディスプレイにも黒米粉の牛肉入りカレーパンやソーセージパン、あんぱん、ピザトースト、食パンなど黒米粉を使った逸品が並んでいます。

　加藤さんは、京都のパン屋さんで20年以上に亘る修業の後、京都が好きで、住宅街と観光地の両方あるような地域を探していたところ、1年半前に風光明媚な自然や古刹などがある静かな環境のこの松尾谷を気に入り、店をオープンしたのだとか。「まだ慣れない土地ですが、地域の人たちの温かみを感じている」のだそうです。

　自分好みのパンの作り方を体験できるパン教室なども開催されていて、子どもさんを連れたママさんたちなどにも大好評だそうです。温かいメロンパンや塩パンにアイスクリームを挟んだこれからの季節にも最適な新商品「アイスパン」も登場しました。ぜひお気軽に立ち寄ってみてください！

「bakery cafe パン教室 なごみ」（外部リンク）京都市西京区松尾大利町17-10　075-925-8162